Ki ページ24
藤「あ、本名、なんて言うんですか?」
北「え 、えっと ... 」
この手の質問は毎回上手く誤魔化している。
オーナーからは何も言われてないが、
教えたらダメなんじゃないかなって思うから。
本名教えたら何だがなぁ ... 。
俺の職業ってある意味で客に一瞬の快楽を与えてる。
それは、"魅兎"であって"○○"じゃない。
ONとOFFをきっちり分けておきたい俺は
余り教えたくなかった。
藤「教えられません?なら大丈夫ですよ。」
口調は優しいが目がやっぱり笑ってない。
俺はさっきので察知したけど、
この人も相当猫被りだと思う。
それにあの冷めた目に俺は弱いらしい ... 。
ドMかっ!って自分をツッコミたくなるわ。
北「き、○○です。」
藤「○○ ... さん。あぁ、だから源氏名がみつなんですね。納得しました。」
そう言ってニコニコしながら頷く藤ヶ谷さん。
先ほどの冷たい瞳は嘘かのように。
お気に召したようだ。
北「はぁ ... 。 お客さんに本名教えたの太輔が初めてなんです。緊張するもんですね。(笑)」
藤「初めて ... ですか?」
それから藤ヶ谷さんは暫く黙ってしまった。
北「あ、あの?」
藤「... あ、いえ。北山さんの初めてを貰えた嬉しさに言葉失っちゃいました。」
またもやイケメンスマイルを俺に向けてくる。
これにも弱い。
心臓をぎゅっと握り潰されてる感覚だ。
藤「それと、素の北山さんでお願いします。」
北「そ、それは無理です!お客様に対してそんな... !」
藤「今日は俺が ... ね?出来ますよね?」
今日は俺が買ったんだから、
俺に従え、と。
にこにこしながらも圧がかかってるのが分かる。
なんなら今日は、ってだけの関係じゃねぇか。
何だが無性にイラついてきた。
北「あなたと俺が出会ったのは今日が初めてです。今日限りの関係なら素を出す必要はないでしょ?」
藤「へぇ ... 毎日買えば俺に懐いてくれると?」
藤ヶ谷さんの雰囲気が変わった。
一人称が僕から俺に変わってる。
何だがちょっと怖いと思った。
598人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「藤北」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Na-Chi(プロフ) - 凄く面白くて更新楽しみにしていました ただ、間違っていたらごめんなさい。同じ内容のページが続いてるように思うのですが汗 続きがきになります。更新頑張ってください。 (2017年11月8日 18時) (レス) id: a9c84d6018 (このIDを非表示/違反報告)
さぁにゅん(プロフ) - かおもりさん» コメントありがとうございます!すっごくヤル気出ました!更新頑張ります!宮玉ちゃんですね、頑張らせて頂きます!応援よろしくお願いします! (2017年10月31日 7時) (レス) id: 089c6b507e (このIDを非表示/違反報告)
かおもり(プロフ) - こちらの作品楽しく読ませて頂いております!今後の展開とっても楽しみです!そして宮玉の行方もだいぶ気になっております!更新楽しみに待ってます。よろしくお願いします! (2017年10月31日 2時) (レス) id: 2190a25ba5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さぁにゅん | 作成日時:2017年10月16日 23時