僕のお兄ちゃん

15話 ページ15

「…それよりさ、お兄ちゃん」

「家に行く前に少し買い物に行かない？」

俺の言った一言で真冬が思ったより落ち込んでいたため、(少しきつく言いすぎたかな…)と反省していると、何故か満足気な顔をした真冬にそう話しかけられた。

『買い物…？』

「そう、買い物。ちょっと欲しいものがあって…」

ーーーーー

そんな話をしていたのが数十分前。

「欲しいものがある」と言う真冬の案内の元、着いたのは某青い看板のアニメショップ。

(前に会った時、ごちうさ？ってアニメにハマってるって言ってたから、そのグッズか何かを買いに来たのかな？)

『真冬〜？決まったの〜？』

「あっお兄ちゃん。もうちょっと待ってもらっていい？」

「CDとかも見たいんだよね〜」

『CDかぁ…』

社会人になってからというもの、テレビをほとんど見なくなってしまったため、最近のアーティストなんて分からなくなってしまった…

『俺もどんなアーティストさんが流行ってるのか知りたいし、そこら辺見て回ってるね〜』

ーーーーー

店内を回ること数分。

ふと【ネット音楽、歌い手】と書かれたプラカードを見つけ、足を止める。

数多くあるCDの中でも俺の関心を引いた1つのCD…

ジャケットが気になり手に取ってよく見てみる。

『天月…？』

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