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17日目 ページ17

「ね、私さ、ある程度大きくなって、自立できるようになったら…家を出る気でいるの。」
「だからごめんだけど、貴方とは結婚できない。」
「あんな家、私の代で終わらせてやるの」

そんなふうに語りかけてくる彼女はまだ幼いはずなのにとてもかっこよく見えた。

『うん、いいと思う。』
『俺もさ、あんな家から抜け出したいと思ってるんだ…だから、一緒に組まない?』

「組む…?」

『そう。』
『結婚するって見せかけといて、ある程度自立出来たら2人で逃げちゃおうか』
『1人で逃げ出すより効率いいと思わない?』

「…確かにそうね」
「その賭け、乗るわ。一緒に逃げ出しましょう?」

『…交渉、成立だね』

ーーーーー

縁談の日から数日後。
今日もいつものように悟と話していた。

『悟〜。今日はケーキ焼いてみたんだけど食べる?』

「んー食べる」

最近悟が甘えんぼうになった。

何処に行くにも俺の後ろを着いてくるし、二人でいる時は常に抱きついてきたりとスキンシップが増えた。

それに、前は多くても週に3回程度だったのが、今では毎日のように会いに来てくれている。

家の事は大丈夫なのかな?とは思うけど、悟が自ら来てくれるのが嬉しくて何も言えずにいる。

『はい、これ。』
『今日はタルトの作り方を教えてもらったんだ〜。』

悟が家に来て、その日俺が作ったスイーツを出す。

これが毎日のルーティンだった。

毎日作ってるおかげでだいぶ綺麗に作れるようになったし、悟もとても喜んでくれるので作りがいがある。

「俺、Aの作る甘いもの好きだわ」

『誰が作っても変わらないと思うよ〜?』

「うーん…なんか、Aの作るのは優しい味がする。」

『優しい味…?』

「なんて言ったらいいか分からないけど…一口食べたらもっと食べたくなるし、毎日でも食べたいって思えるような、そんな味がする。」


そんな風に思ってくれているとは思っていなかった。

でも、こんなに嬉しいことを言われたら毎日でも作ってあげたくなっちゃうよね…。


『そっか〜…そう言ってもらえて嬉しいな』
『ね、次は何が食べたい?悟の食べたいものを作るよ。』

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作者名:楓さん x他1人 | 作成日時:2021年3月2日 16時

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