甲斐くんの彼女。 3 (ページ36)

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「え、あ、ちょ..」

文香ちゃんとお父さんとの関係を説明してくれた後、

先生は私に夕食が入ってる袋を持たせると準備室から追い出した。

「一颯くん!」

柊「今ドアノブに触ったら感電するぞ。やめとけ」

扉越しの声。

何が理由がわからないけど..一颯くんにこれ以上迷惑をかける訳にもいかないので、大人しく私は教室に戻った。

教卓のところに夕食を置くけど、皆取りに来ないで携帯に夢中だ。

というか..先生の動画の件で頭がいっぱいなのだろう。

水越「みんな酷い..」

真壁「この動画が偽物だって投稿したら?」

熊沢「そんなことしたら私たちが共犯だってバレちゃうよ..!
ブッキーがそれを望んでるかどうか..」

魚住「でも..なんか怖くない?みんなこの動画を本物だと思い込んで好き勝手コメントして..」

窓際の方で静かに顔を俯かせて立っている逢沢。

..あいつは..先生の真意を知っている。

少なくとも私より..先生の目的を。

茅野と宇佐美に支えられて教室に入ってきた先生。

諏訪「ブッキー、身体は?大丈夫なの?」

..唯月、先生のこと心配してくれてたんだ。

なんて珍しく静かな彼女の姿に思わず頬が緩んだ。

柊「大丈夫だ。皆席に着こうか..はい、きりーつ！」

私達が席に着いたのを見て..いつも通りの挨拶が始まる。

柊「俺の授業を始める。礼、着席..。
えーと..俺がフェイク動画を作ったところまでは、見破ったんだよな?」

結城「その動画がSNSにアップされてます」

水越「炎上に次ぐ炎上で大変なことになってるよ?」

柊「うん、分かってる。全部計画通りだ」

甲斐「どういうことだよ..?」

柊「その動画を流すことも、その動画によって俺が犯人扱いされることも全て、初めから仕組んでた事だ」

里見「意味わかんねぇよ!
え、だってあの動画は全部嘘なんだろ?だったら先生はさ、景山を殺してないんだし犯人扱いされる必要も無いだろ」

柊「というわけで..これからお前達に全てを話す。
俺の計画も、本当の目的も。
想像力をかき立てて、よく聞いて欲しい」

皆の間に緊張が走った。

それは勿論..私も