甲斐くんの彼女。 3 (ページ23)

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宇佐美「この中には私も含め、ブッキーに救われた人が沢山いる。

公表するにしてもしないにしても、何がベストなのかしっかり見極めないと..!」

水越「その動画をアップすれば、今度はブッキーに殺人の疑惑が向けられる。
ブッキーも言ってたけど、私達の言葉1つで命を奪えるわけだから..責任は重大だよね、」

中尾「でも実際、証拠になりうる動画が存在してる訳だし..先生が犯人っていう可能性は高いよな」

一颯くんが澪奈を自殺に追い詰めた犯人..

小宮山「..A?」

心配そうな愛華が立ち上がった私を見つめる。

駄目だ。

このままじゃ..澪奈の時と変わってない。

あの夢の私のままだ。

「..何か..おかしいところ..」

滲む画面。

必死に目を擦って堪えると、逢沢が隣で画面を覗く。

逢沢「..この動画..おかしい..!!」

堀部「何が?」

逢沢「景山の鞄!!」

逢沢は澪奈を撮っていたカメラを私達に見せる。

逢沢「ほら、あの日持ってたのは学校の鞄だったんだよ!!」

確かに..逢沢の動画の澪奈は、学校の鞄を肩にかけている。

しかし、先生の動画の澪奈は水泳バッグを持っていた。

「..これ、澪奈じゃない..」

光を見つけた気がした。

兵頭「じゃあ誰?」

秋庭「別人ってこと?」

結城「え、意味わかんないどういうこと?」

真壁「あ! この動画自体フェイクって可能性は?」

熊沢「翔、これ見て!!
この角度って、斜め前にあるクリーニング店じゃない?」

真壁「絶対そうだ!!
..こんな所に防犯カメラなんてあったっけ..?」

逢沢「電話して聞いてみよう!」

逢沢が電話をかける姿を皆が見つめる。

逢沢「やっぱり防犯カメラはないって」

西崎「..じゃあ..これは先生が作ったフェイク動画..」

「..でもどうして..」

熊沢「武智への復讐..」

真壁「どういうこと?」

熊沢「澪奈が自殺した原因はフェイク動画だったでしょ?
ブッキーはその犯人が武智だって分かってた。
だから同じ手を使って武智を追い込んだ..」

「復讐..?」

被害者は澪奈だけではない。

...こんな大掛かりなこと一颯くん1人でできるもの..?

熊沢「それだけじゃない。
フェイク動画を依頼した証拠がなかったから、武智に自白させるためにこの動画を作った

だとしたら..完璧な復讐だよ」