かわいい幼馴染。 (ページ44)

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"いーち、にーい、さーん、しーい…"

ふわふわと聞こえる幼い潤君の声。

"あ、さとにー発見！カズも一緒だ"

"くっそ～…見つかんないと思ったのに"

"もう、さとにぃはダメだね"

「Aは見つかんないもん」

そう呟いた声が思ったよりも大きくて、急いで手で口を押えた。

最初は見つかるかな、というワクワク感と、見つからないもんという自信に満ちていた心が…

どんどんと不安へと変化していく。

外から聞こえてこない潤君たちの声。

「…っ…」

みんな忘れちゃったのかな。

そんな思いがよぎった時…思わず眩い光に目を細める。

"あ、いた！！！"

「っまさにぃ…！」

雅紀「こんなところに隠れてたのか～、もう皆で探し回ったんだよ…」

ニコニコといつもの笑顔のまさにぃ。

「っふぇっ…うえ～ん涙」

そんなまさにぃを見て…安心して泣いてしまったんだ。

雅紀「泣くなって！」

「Aのことっ忘れたかとおもったっ…」

雅紀「…大丈夫だよ。みーんなが忘れたって俺は忘れないから！
ちゃーんと見つけ出して、皆に思い出させるから！！」

「ほんと？」

雅紀「ほんと!！!」

"A!"

頬にひんやりとした感覚があり…ゆっくりと目を開ける。

「…まさにぃ」

雅紀「あ～…よかった!!!!死んじゃったかと思った…」

あの頃の笑顔ではなく、少し泣きそうなまさにぃ。

「…ふふ」

雅紀「?」

「まさにぃはやっぱりヒーローだね」

その言葉にまさにぃはふにゃりと笑う。

雅紀「なんだよそれ笑」

「…私のヒーローだよ」

けどその笑顔が…急に真剣な顔へと変わる。

雅紀「…ヒーローじゃやだ」

急な言葉に眉を顰めると、まさにぃはぎゅと唇をかんだ。

雅紀「…俺はお、お、お、…」

…お?

雅紀「王子様がいい……あぁ、やっぱ今のなし!!!なし!!!」

恥ずかしそうにそういうまさにぃ。

雅紀「…好きな人を助けるんだったら…ヒーローより、俺は王子がいいよ」

ただじっと黒目が多い瞳が見つめてくる。

混乱のせいか。

はたまた熱中症か。

「…クラクラしてきた」

雅紀「Aー…!!!」

また目を瞑ると…今度こそ暗闇へと引きずり込まれた。