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功一「作戦はこうだ。来週青山でワインの試飲会がある。まず、そこで接近する」
「しず、私そろそろ夏休み終わるから…メイク、自分でやってね」
静奈「え〜」
「え〜じゃないよ笑」
功一「んで、戸上の近くで…例えばな?こんなことを…」
ｺﾎﾝっと一つ咳払いしたおにぃは…なぜだか正座で布団の上に座った。
静奈(功一)「先日、とてもおいしい洋食屋を教えていただいたんです」
泰輔(功一)「へぇ…洋食屋」
静奈(功一)「ビーフシチューを頂いたんですが、すごくおいしくて〜♪」
泰輔(功一)「へぇ…ビーフシチュー。うちの家内はビーフシチューに目がなくてねぇ。今度、一緒に行こうかな」
静奈(功一)「でもあの店、女性によっては好き嫌いが分かれるわぁ〜」
泰輔(功一)「へぇ…どんなところが?」
静奈(功一)「うーん…言葉にできないわ〜」
「…きも」
静奈「あ、私の台詞とられた」
1人2役で声を変えたりして演じるおにぃ。
…傍から見たら頭がイカれた人だ。
功一「そ、そんなことはどうでもいいんだよ!
それでシーがとがみ亭の名前を出したら…多分あいつは引っかかってくると思う。A」
「へ?…あぁ」
しずの背中にくっついておにぃの劇を見ていた私にﾁﾗっと視線を移すおにぃ。
ﾎﾟｽﾝっとソファーにクッションを投げて私は一枚の名刺を泰にぃに渡した。
泰輔「宝石商?」
功一「うん。コレキセジャパンの春日井さん」
泰輔「いや、無理無理。宝石なんてそれこそルパンでしか見たことねぇよ」
功一「大丈夫だって。勉強する時間はたっぷりあるんだから」
そういっておにぃは重そうな段ボールを泰にぃの膝にのせる。
その中には宝石商になるための勉強道具が。
泰輔「いやいやいや」
「泰にぃ、毎日暇でしょ?それがあれば…遊ぶ暇きっとないね」
耳元で少し低い声で言うと泰にぃは思いっきり顔を私から逸らした。
ダメ兄貴…
功一「大丈夫だって。あいつは別に宝石なんて興味ねぇんだから」
「っで、しずは…これ」
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作者名：ぽかぽか笑顔
| 作成日時：2017年12月11日 22時
