。流星の絆。2 (ページ23)

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…俺は一矢(カズヤ)

歌舞伎町IPTのナンバー2ホスト。

今、俺は激しく動揺している。

そう。俺のペンパレであり心の妹"栞"

その栞と瓜二つの女が目の前に…

一矢「あれ?」

目の前で栞にいたような女の人が男の隣に移動し、ぎゅうっと手を握った。

そしてそっとその男の肩に頭を乗せる。

ちがう!栞はあんな淫らな女じゃない。

それに…妹がいるとも聞いていないし…

他人の空似か。

さぁ…出勤だ!

静奈「ごめんね…久伸」

高山の後ろの方にいた一矢はﾁﾗっとしずの方を見たけど…気にしてない様子でお店を出て行った。

ﾄﾝっとしずの足を軽くける。

"行ったよ"

そういう意味を込めて。

高山「待ってる。10年でも待ってる」

静奈「…じゃあ私はお手洗いに行ってくるね」

そういって席から立ち上がりトイレへと向かうしず。

…高山に強く握られていた手を汚そうに見ていたのを私は見逃さなかった。

「…お疲れ様」

高山「え?」

「あ、いえ……ｹﾎ。
すみません…私のせいで」

高山「いや…」

そういったけど…"ほんとだよ"

そんな言葉が…表情に出ていた。

「…羨ましい」

高山「え?」

「…こんなに愛してくれる人がいて私羨ましいです。
私ずっと病院暮らしで…お姉ちゃんしかいなかったから」

そういって微笑むと高山は…"あ、こいつ意外とかわいい"みたいな表情。

…そういえばしずは"地味"って顔にポストイット貼られたって言ってたな…

「…私も…将来結婚するなら高山さんみたいな人がいいです」

その時の高山の表情に…笑いを堪えれた私は本当にすごいと思う。

静奈「ありがと、A」

「ううん。でも流石ポストイットだね」

静奈「え?」

「…顔にポストイット貼ってんのか!!っていうぐらい…表情駄々洩れ」

静奈「あぁ…扱いやすいけどね」

そういって笑ったしずは…魔性の女…

静奈「いや、トイレから見てたけどあんたも相当だからね?」

「へへ、そう?」

静奈「うん。そりゃおにぃ達がやらせない訳だ。
あ、じゃあ着替えてくる!」

「はーい。次南田さんだっけ?

静奈「うん。よろしくね～」