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功一「あ、あぁ…その前に。
泰輔、お前をテストする」
泰輔「テスト?」
功一「ついてこいや」
おにぃのその言葉に私たち4人は港へ向かった。
『よお』
黒い着物を着ていた女の人はそういって振り返る。
「あー!!!」
その女の人は、あのよくわからないお客さん。
静奈「誰!」
「なんで!」
功一「あとで話す。あの…例のものは」
『持ってきたよ?』
功一「あぁその前に。誰が言ったか知らないが」
『言われてみれば確かに聞こえる』
功一「『空耳アワー』」
功一「よし」
満足そうにグットサインをだすおにぃ。
泰輔「え、なに今の合言葉?」
「いつの間に…」
女の人は私たちのほうに近寄ってきて…そっと左手の薬指についてる指輪を見せた。
静奈「キレー…」
功一「泰輔。鑑定してみ?」
泰輔「わかった…」
そういって女の人の指輪を鑑定し始める泰にぃ。
泰輔「ダイヤに見えるけど…キュービックジルゴニアだ」
「ジル…?」
功一「模造ダイア」
「あぁ…」
『ブラックマーケットで手に入れたのさ』
泰輔「よくできてるけど…本物に比べてカットの部分のラインが甘いし、光沢に色が付きすぎてる。
偽物だ」
静奈「すごい…」
泰輔「ま、本物は見たことないけどな」
静奈「…キレー」
その指輪を間近で見つめて…うっとりしたような声でそう呟くしず。
ﾁﾗっと私は…自分の首につけているものを見つめてみた。
『あんたのピアスも綺麗だね。取り換えっこしよ?』
静奈「あ、これだめ。おにぃが二十歳の誕生日に買ってくれたから」
功一「余計なこと言わなくていいから」
『あたしには何も買ってくれないのに!?』
そういって…泣き始める女の人。
功一「あ、つけてみな!」
静奈「いいの?」
『くぅ〜…先週が誕生日だったのに!』
悔しそうにそう言った女の人は指輪をしずに渡した。
「…泰にぃ、何かしずねぇにあげた?」
泰輔「へ?あ、いや……愛を」
「…私が二十歳の時は鞄が欲しいな」
泰輔「…シーがくれるよ」
ｷｯと泰にぃを睨むと…泰にぃは「が、頑張るから!」と。
「約束ね」
泰輔「…はい」
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作者名：ぽかぽか笑顔
| 作成日時：2017年12月11日 22時
