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これはまだあのお船引き事件が起こる前の頃の…パラレルな話____




「あ、いた」

紡「…まだあったのか」

焼却炉の所へ行くと、ぼーっとしていた紡が私の手に持っているものを見て言う。

「うん。どうかしたの?」

ゴミ袋を中に放り投げながら言うと、少し困ったように視線を外した。

「…私じゃウミウシになれない?」

同じように私も前を見つめながら呟いてみると、紡の視線が向けられた気がする。

…ちょっと恥ずかしいこと言ったかも。

そう思い紡の方を見れなかった。

そんな私に何も言わない紡が歩き出す音が聞こえる。

「…わっ!?」

急に感じた冷たさに驚き後ろを向くと、しゃがみこんで池に手を入れていた紡。

「なに…」

フッっと優しく笑った。

紡「今の顔。結構すごかったぞ」

「なっ…うるさい!」

ひんやりとした紡の手が私の頬をすべる。

紡の手についてる水がじわぁっと…エナに染み込む感じがした。

紡の手は冷たいけど…自分の顔に熱が集まるのがわかる。

私の目をただ静かに見つめる紡の瞳は…やっぱり真っ直ぐで…眩しい。

紡「たこみたいだな」

「はっ…!?」

紡「海村ってたこいるのか?」

「んー…あんまり見ないかな。暗いところにいるし」

紡「あ、そうか」

「うん…」

紡「やっぱり綺麗だな」

「海村?」

紡「莉菜の瞳」

その言葉に驚きを隠せなかったけど…それよりもただ…私は紡の視線から逃れれなかった。

そういうところ。

勘違いしちゃうんだよ、女の子は。

紡「海みたいだ」

「…紡の瞳もね」

紡「?」

「太陽みたいだよ」

海村の人の瞳がゆらゆら揺れる綺麗な青色の海だったら…

陸の人の瞳は…キラキラと真っ直ぐ私たちを見つめる…太陽だ。

「いこ。掃除の時間終わるよ」

ぐいっと紡の手を引っ張って走り出す。

紡「うわっちょ…」

この時…私だけが見た紡の驚いた表情は




やっぱり貴重だったな。

226→←224・できれば見てほしいです・



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響くカーテンコール(プロフ) - 切なくなったり、ドキドキしたり、みんなの思いが交差して交わらなかったのになんか、それぞれが思いを決めていいお話だったなって思いました!(語彙力がなくて上手く言えてない。)とにかく!めっちゃ良かったです! (2019年11月14日 16時) (レス) id: db0e908ae0 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 凄く面白かったです!!あと切ないところとかでもなんだか暖かくなるような所とか凄く泣けました!!あとこれで夢主ちゃんと要は、付き合ったでいいんですよね?続き楽しみにしていますね!! (2019年6月5日 22時) (レス) id: 5c635e6563 (このIDを非表示/違反報告)
5号 ミッキー - 泣けてきました! (2018年11月9日 9時) (レス) id: 55817b2568 (このIDを非表示/違反報告)
みおな - 夢主の気持ちがはっきりして読み手の私もスッキリしました!更新頑張ってください!完結することを応援しています! (2017年11月2日 3時) (レス) id: b259f86f96 (このIDを非表示/違反報告)
ぽかぽか笑顔(プロフ) - とうふさん» その作品8月以降更新されていないみたいで…返信はないです (2017年10月4日 20時) (レス) id: d0ae113321 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:凪のあすかららら | 作成日時:2017年1月30日 21時

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