【凪のあすから】変わらない景色。3

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要「悪気はないさ」

光「分かってる…。
なぁ、本当に眠ってるだけだよな?」

要「光…」

光「冬眠…なんだよな?
うろこ様や大人たちが嘘ついてるわけじゃないんだよな?」

要「だったら、どうして僕達が目覚めたの?」

光「そうだよな…」

階段を降りたとき…ﾋﾟﾀっと急に光が足を止める。

光「俺のわがままなんだ。
美海の産みの母ちゃんは、海の人間だっただろ?
やっぱ、せっかくなら綺麗だ、って思ってほしかったんだ」

「光…」

光「じゃ、後でな!」

無理やり笑顔を作った光はそう言って、また階段を降りて行った。

要「心配?光が」

「うん…心配だよ」

まなかもちさきもいない今。

光は…1人なんだ。

要「また…戻った」

「え?」

要「なんでもない」

さらっと少し目にかかってる前髪を触ってから…少し悲しそうに要が笑いながら言う。

戻った…?




要「じゃ、僕も家に戻るから」

「うん…」

そっとドアに手をかけるけど…どうしても最後の一歩が踏み出せない。

「要…私、学校に行ってる」

要「え?あ、莉菜!」

要の返事も聞かずに私は学校へと向かった。

なんだか…どうしても……お船引きを成功させてない…何もできなかった私は…会っていい気がしなかった。

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