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まなか「りっちゃん、しーっね」
人差し指を立てて無邪気に笑いながら言うまなか。
まなか「…ちぃちゃんと…紡くん何話してるんだろう…」
ちさきが見え、そうしたら次にちさきの数メートル先に居る男子生徒が紡だと分かった。
忍び足、忍び足で近づいていると、2人が何を話してるか聞こえる。
紡「あんた、光が好きなの?」
紡がそういうと、ピタっとまなかの足が止まった。
「…いこ、まなか」
小さくそう呼びまなかの腕を引っ張っても、「ううん」と言って振り払われる。
ちさき「好きよ?そりゃ…だって…幼馴染でずっと一緒に居て…もう、家族みたいなもんで…/」
紡「そうか」
ちさきの言葉を聞いた紡は私達の方を向いて歩き出した。
案外いた場所は2人に近かったみたいで、少し紡が歩くだけですぐにほんの少しの距離になる。
ちさき「ウミウシになってくれる…?」
紡「え?」
紡も…もちろん私達もちさきが話を続けたことにびっくりした。
…気づいて…ない?
ちさき「幼馴染の好きよりも好きよ。
でも…光を好きで居続けると、どんどん嫌な自分になってく…。
どんどん自分、許せなくなって__「ストップ」
ちさきの言葉を遮ったのは紡で、顔を上げたときに私達が見えたのか驚いたような表情のちさき。
「まなか!」
急に走り出すまなか。
ちさき「待って!まなか!」
「…ぇあ…」
そんなまなかをちさきは追いかけてった。
紡と2人を交互に見合わして…
紡「行かないのか?」
「うん…なんか、邪魔な気がする」
結局2人を追いかけないことにした。
紡「その様子じゃ知ってたんだな」
「…ちさき周りの事ばっか優先して…素直じゃないから。
あぁやって思ってるの知らなかった」
ただただ静かに歩幅を合わせて聞いてくれる紡。
「…ウミウシ…か。
私…ちさきが唯一本音を言える…ウミウシだと思ってたんだけどな…」
紡「それは……」
「それは、なに?」
紡の続きを待ってると、少し考えたように上を見た後
紡「言わない。珍しく莉菜も悩んでみなよ」
なんて。
「紡いじわる」
そう言って睨むと、クスクスと楽しそうに笑う紡。
…また、笑った。
紡「なに?」
「ふふ、なんでもなーい」
紡「やっぱり…」
「なに?」
紡「…笑った方がいいよ」
「え…?」
サァっと吹いた冷たい風が少し暑くなった頬を冷ました。
紡「最近、難しそうな顔してる」
私の眉間を優しく指で押しながらそんなことを言う紡。
「難しそうって…」
そんなにしてたかな?
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もも(プロフ) - こんにちは!コナンの方もお気に入りで全部見ちゃいました!凪のあすからも大好きなので良ければ更新して欲しいです!頑張ってください! (2016年5月8日 8時) (レス) id: 00c5c3f7bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:凪のあすかららら | 作成日時:2016年4月30日 17時