番外編.8/18(2) ページ12
ラン｢あんたがそれくらいで落ち込むなんて珍しいね｣
乃木｢落ち込んでるっつーか…
あまりにも自然だったんだよなー…｣
頬杖をついてまた遠くを見つめていると、ランさんははぁ〜と長めのため息をついた。
ラン｢修一、あんた今日何時上がり？｣
乃木｢え？19:00くらい…｣
ラン｢ダメ。17:00には上がりな。
あたしから話つけとくから｣
…？？？
なになに？どゆこと？確かにてんちょーとランさんは仲良いけど…流石にシフトまで変更出来るわけなくない？
てか、17:00に上がってどーすんの？
ラン｢楽しい時間ってあっという間に過ぎんの
お姉さんからの助言｣
乃木｢はあ…？｣
俺はいまいち理解出来ずに眉間に皺を寄せた。
それでもランさんはいいからいいからと何度も俺に言ってきた。
てんちょーに確認取ってねーけどほんとにいーのかなぁ…
俺は半信半疑だったが、とりあえず17:00前までは普通に働こうと思いいつも通りに業務をこなした。
そして17:00間近になるとべらべらに酔ったランさんが｢ほら、帰んな！｣と言いに来た。
流石に酔ったランさんを相手にするのはきついと悟った俺は、言葉に甘えて2時間早く上がることにした。
乃木｢(一体何考えてんだか…)｣
誕生日だっていうのに、Aは覚えてないわランさんは無茶言うわで散々な日だなー…
でも、ロッティやユイちゃんと話してれば今日が俺の誕生日だって気付くよな。
乃木｢(例え物が無くても俺はあいつらから祝ってもらえるだけで嬉しいからさ
…おめでとうって、言ってくんねーかな)｣
友達が出来て、親友が出来て、好きなやつが出来て…
俺を、必要としてくれる奴らがいて。
みんなで騒いでる時は、生まれて、生きてて良かったって思える。
過去はサイアクだけど、
この体質のおかげで守ることも出来たわけだし。
そんなことを考えていると、いつの間にか家の前まで来ていたようだ。俺は鍵を開けて、いつも通りに扉を開けた。
乃木｢ただい＿＿＿＿｣
パーン！と大きな音がして、俺はびくっと身体をすくめた。
ーーー
ちなみにですが、ノーマさんにでさえタメ口な乃木がなぜランさんに敬語かと言うと…
ラン｢あたしが教育してやった｣
からです。うるさいので乃木も渋々やってるうちに身につきました。でもたまに抜けます。ランさんも今はまーいいかくらいに思ってます。
ーーー
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作者名：霊来 | 作成日時：2023年8月2日 13時
