うるうどし。

１０　ダテメガネ ページ10

〈北斗、お前何して、〉

『Aさん行きましょう。京本さんもマネージャーさんが探していましたよ』

「えっ？あ、ちょっと、、またね、大我！」

〈あ、あぁ。またな、A〉




松村さんに背中を押されて大我とは反対方向へと連れてかれる。

北斗、ってマネさんのこと言ってたけど、

大我とマネさんって知り合いなの？てっきり初対面かと。






『……………』






ものすごく気になる。どういう関係か聞きたいけれど、

撮影が始まっても、その間の休憩でもマネさんはずっと黙っている。

心なしか避けているように見えなくもない。






『お疲れ様でした。帰りましょうか』

「………はい。」





ひょっとして、大我と昔何かあったとか？

それで仲が悪くなってずっとそのままとか。

私が大我と幼馴染だから、ずっと気を遣って黙ってたんだろうな






『Aさん、これ掛けてください』

「え？なんで。」

『もう遅いのでバレることはないと思いますが、念の為の変装です。』

「…………ん？」




今まで車から降りて家に帰るまでこんなことなかったのに

いきなり変装？週刊誌の人とかこの辺りいないって聞いてたんだけど。

黒縁メガネをマネさんの言う通りに掛ける



『行きますよ。はい、これ着て下さい』

「でも、これマネさんの」

『上着手に入れたんですか？』

「それは、家に」

『取りに帰る時間ないですよ。いいから着る』




マネさんの上着を貸してもらい、街中を2人で歩く。




「マネさん寒くないんですか？」

『中に着込んでますのでご心配なく』

「そう、ですか。」




これ、側から見たらどんな関係に見えるんだろ。

眼鏡に大きめの上着を着た私と、スーツ姿のマネさん。

会社員と取引先の人とか、かな。

そんな身なりとか気にしないから私服でいいのに




「えっ、、、マネさん、なんで！」

『……元気がなかったようなので。』

「すっごく綺麗！写真撮ってもいいですか？」

『どうぞ。プライベートなので』




ライトアップされたクリスマスツリーや、

トナカイ、ソリなどピカピカ光っててすごい綺麗。

今日仕事頑張ってよかった〜、写真にも映えるし。




あっ、この風景にピッタリ合う人も。





ｶｼｬｯ





「あ、音なっちゃった。」

『……俺のこと撮りました？』

「あ、いえ。………………すごく綺麗だったのでつい！」

『はぁ、俺なんかよりAさんの方がお綺麗ですよ』

「ふふっ、ありがとうございます！」

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