３８ 青いベンチ ページ38
まずい。
非常に、まずい。
現在の日付、2月29日。
私の中にいた臆病ちゃんにより、5日間もあるはずだったチャンスを逃してしまった。
今日こそ、ちゃんと話さないとだめだよ流石に。
「た、、大我？」
〈ん？なぁに？〉
「今ちょっといいかな？あ、忙しかったら全然今度でも！」
〈んーん、俺も話したいことあるし。あっち行こっか〉
気を利かせてくれて、人通りの少ないベンチに連れて来てくれた。
歩いている時も、なんとなく一言も話さず静かなまま。
「あの、、この前のね？話の続きになるんだけど」
〈俺さー、Aが初恋だったんだよ。〉
「え？」
〈知らなかったでしょ笑〉
知ってるもなにも、そういう話は今までしたことなかったし、
大我には悪いけど勝手に他に好きな人がいると思ってた。
〈もちろんその気持ちは今も変わってない。一途でしょ？俺〉
「………うん。」
〈A、抱きしめてもいい？〉
そう言った大我、に返事をする間もなく優しく抱きしめられた。
〈大好きなんだよ、〉
「っ、、、」
告白の返事をしようと決断した心が揺れそうなぐらい、
今までで初めて聞いたぐらい優しい声で囁かれたと思えば、
ゆっくりと距離が離れて、潤んだ瞳と目が合った。
〈大好きだからさ、別れよっか。〉
「えっ？」
〈こんなこと言う柄じゃないけどさ、好きな人には１番の幸せを感じてほしいから。〉
まぁ、俺がその1番の幸せを与えられたらよかったんだけどねって大我が微笑みながら言う。
涙が溢れるのを我慢してるの、気づいてるよ？
「大我は、私には明るすぎるの。私が大我に追いついてないだけだから、、」
〈回りくどい言い方しなくていいって、俺なんかに〉
「ごめんね。大我のことは好きなんだけど恋愛的には、見れなかった。」
〈俺が高望みしすぎたんだよ、ちょっと有利な立場だからって〉
「有利、？」
〈Aのことを、俺よりも幸せにする奴がいるの知ってて告白したから。〉
「え、？どういうこと、そんな人」
〈いるんだよ、ずっとAの側にいる人が1人だけいるでしょ〉
ずっと、私の側にいる人？
ってなると家族だけど、今は一緒にいないし、、
家族と大我以外の、よく一緒にいる人。
「え、？まさか、、」
〈そのまさか。たぶん今Aが思いついてる人だよ〉
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カエデ(プロフ) - momoさん» momoさんコメントありがとうございます！🍑♡長らくお待たせしました！！🙇♀️好きが溢れただなんて素敵な言葉ありがとうございます泣最後まで呼んでくださってありがとうございました！ (5月4日 23時) (
レス) id: 07a07cf326 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - カエデさん» 完結おめでとうございます！ずっと更新楽しみにしてたので、読み切った時好きが溢れまくりました！素敵な北斗の恋愛もの描いて下さってありがとうございます！（泣） (5月4日 20時) (レス) @page43 id: 7c710f6426 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - momoさん» momoさんコメントありがとうございます！🍑💬うっすら過去を匂わせてたのですが、気づいて下さって嬉しいです！続きも是非呼んでくださったら幸いです。 (1月8日 13時) (レス) id: 7b38305e18 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - マネさん目線でお話が書かれて、うるうどし の意味がわかると切なくて泣きそうになりました、。読み合わせで北斗が息が詰まった理由が想像よりも重たくて甘い思い出がよみがえるのかと思うと切なすぎました、。 (1月8日 7時) (レス) @page33 id: 7c710f6426 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カエデ | 作成日時：2023年11月26日 22時
