うるうどし。

３７　決戦は木曜日 ページ37

『まだお寿司食べるつもりですか？』

「違いますよ！大我にお土産として持ってこうと思って」

『あぁ、1番小さいのにしたらどうですか？』

「………ケチマネ」

『え、今なんて言いました？』

「別に何も言ってません。」





大我が小さい頃に食べたって言ってたから、絶対行ったよ〜って言ったら俺の分は？って聞くに決まってる。

もうわかっちゃうんだよね、こんだけいると

そういえば、今日でちょうど付き合って１ヶ月だ。

このまま付き合ったままか、仮を外すか、



大我と１ヶ月付き合ってみて、すごく楽しかった。

でも、友情から恋愛に変わったというよりは

より友情が深まった、という方が正しい気がする。






「はぁ、、」

『情緒不安定ですね、どうしたんですか？』

「聞いてくれるんですか？」

『まぁ、聞くだけなら』



つい、話しすぎてしまった。

実は付き合ってるのも仮だということや、告白の返事についても



『恋愛対象にならなかったんなら、断ればいいじゃないですか。』

「そうなんですけど、そのーね、傷つけてしまうなと」

『嘘ついて付き合う方がよっぽど辛いですよ』

「ですよね、、でも！普通にごめんなさいって言ったら嫌われませんか？」

『Aさんのことを好きなんですからそれはないと思いますけど』

「直接、ですよね」

『じゃあ、別の言葉で言い換えたらどうですか？』

「別の言葉？」

『ほら、月が綺麗ですねとかあるじゃないですか』

「あぁ！その手があったか、、北斗さんありがとう！」





どれどれ、調べてみようじゃないか。



貴方のことを愛してます。→月が綺麗ですね。

うん、それぐらい文学に疎い私でも知ってるよ



明日は晴れますか？→私の気持ちは貴方に届いているのでしょうか。

うわぁ素敵。そういうふうに言われる時代に生まれたかったよ、

ってそうじゃなくて、返事ね！えっとー、断るのは、



一緒に月を見てくれてありがとう。でも、私には明るすぎます。



すっごい趣のある言い回しだと思うけれど、はたして大我に伝わるの、か？？





「これ、大我に伝わりますかね？」

『さぁ、私は好きなので知っていますけど』

「伝わらなかったら、1番まずいですね」

『言ってみないとわからないもんですよ。』





確かにそうだ。もしかしたら、3%ぐらいの確率で

大我が知っているかもしれない。



決戦の日は、大我との撮影がある5日間のみ。

なんとか最終日である2月29日までには伝えなきゃ。

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