２９ 小寒 ページ29
最近、同じ夢を見ることが多い。
それは、初夢として見た夢で怖い、とかそういう系ではないけれど
なんだか不思議な夢。
海沿いの土手を私が歩いていて、落ちないように片手を
男の人が握っていてくれる。
顔も、声もぼかされていて分からないけれど
その時の私はすごく楽しそうで。
たったそれだけの出来事だと平凡に聞こえるけれど、
何度も夢で見ると正夢なんじゃないかって。
今後起きるんじゃないかと真剣に考えるようになった。
もし、本当に起こるとしたらあの人は誰なのか。
容易に考えがつくのは大我。
今はまだ返事ができていないけれど、もし「はい」と答えたら
そういう幸せな未来があるのかもしれない。
それを気づかせるために神様は私にこの夢を授けたんじゃないかと。
〈A？ぼーってしてるけど大丈夫？〉
「あ、うん。全然大丈夫だよ！ちゃんと睡眠も取ってるし」
仕事は忙しいけれど、
夢を見るぐらいには睡眠を確保できている。
「ねぇ、大我。その、この前の返事なんだけどさ」
〈………え！待って今言うの？俺まだ心の準備できてないんだけど！〉
「えぇ？笑結構待たせちゃってるなって思ってるんだけど」
〈いやほんと！それは全く気にしないから、もう一回さゆっくり考えて？〉
「うん、それでね考えたんだけど１ヶ月間お試しってどう？」
〈お試し？１ヶ月は付き合えるって事？〉
我ながらとんでもない提案をしたと思う。
正直に言えば、大我に対して好きって感情はある。
でもそれが、恋愛的なものかと聞かれたらはっきり
答えることができない。
ここで、はいって返事をしようかと今の一瞬迷ったけど、
やっぱりちゃんと自分の中で恋愛的に大我のことを
考えてからの方がいいと思うから、この提案をした。
〈え、じゃあ俺の彼女になってくれるの？〉
「とりあえず１ヶ月はね」
〈っ、、好き！〉
「うわっ」
目をキラキラに輝かせて思いっきり飛びついてきた。
お試しとは言え、初めての彼氏が大我って勿体なすぎるような
〈１ヶ月で終わらないように俺頑張るね笑〉
「なにしてくれるの？笑」
〈んー、まだ分かんない！待って俺ホントにやけ止まんないんだけど！〉
そんなの知らないよ笑
長年ずっと幼馴染やってきたけど、こんな表情は初めて見た。
何でもっと早く言わなかったんだろう。
「私ね、大我のこと好きだよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カエデ(プロフ) - momoさん» momoさんコメントありがとうございます！🍑♡長らくお待たせしました！！🙇♀️好きが溢れただなんて素敵な言葉ありがとうございます泣最後まで呼んでくださってありがとうございました！ (5月4日 23時) (
レス) id: 07a07cf326 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - カエデさん» 完結おめでとうございます！ずっと更新楽しみにしてたので、読み切った時好きが溢れまくりました！素敵な北斗の恋愛もの描いて下さってありがとうございます！（泣） (5月4日 20時) (レス) @page43 id: 7c710f6426 (このIDを非表示/違反報告)
カエデ(プロフ) - momoさん» momoさんコメントありがとうございます！🍑💬うっすら過去を匂わせてたのですが、気づいて下さって嬉しいです！続きも是非呼んでくださったら幸いです。 (1月8日 13時) (レス) id: 7b38305e18 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - マネさん目線でお話が書かれて、うるうどし の意味がわかると切なくて泣きそうになりました、。読み合わせで北斗が息が詰まった理由が想像よりも重たくて甘い思い出がよみがえるのかと思うと切なすぎました、。 (1月8日 7時) (レス) @page33 id: 7c710f6426 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カエデ | 作成日時：2023年11月26日 22時
