【クラシカロイド】赤いはりねずみ。【男主】 (ページ41)

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「……9人目のクラシカロイドの、ムジークが確認されたっす」

午前8時30分。
バダとチャイコは三弦に連れられ、朝のニュース番組の出演準備をすることになっていた。
しかし、突然起こったコンビニ強盗の立てこもり事件のせいで全て丸つぶれとなり、一気に暇をもてあます羽目になっている。
そんな中、冷静にバッハに電話を掛け、そう告げた三弦を二人はただ眺めていた。

「はーあ……朝5時に起きてまで調整したのに、無駄になっちゃった」
「仕事が減っだだけいいべ。オラもう少しぐだぐだするだ」
「もー……言っとくけど12時からCM撮影なんだからね？」

分かった分かった、とやる気の無い声を出しながら、チャイコは楽屋のソファに寝転ぶ。
バダは一度ため息をつくと、そっと鏡の向こうの自分の方を向いた。

「……今更だけどさ」
「あん？」
「……9人目のクラシカロイドって、どんな作曲家なんだろうね」
「オラしーらね。どんな奴でも、どーせあのおんぼろ屋敷にいったらこっちさ帰っでこねえだよ」

窓の外。
晴天の日差しが、室内に入っている。

まだ分からないことだらけの9人目の正体は。
それでもなお、私達がやるべきことは変わらない。

バダはまたため息をついた。
幸せ逃げんべやー、とからかうようなチャイコの声を尻目に、三弦もまた大きくため息をついていた。

第6話 End