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「おいなにこそこそ話してんだ!」


突然レジの横で見張っていた一人がこちらに気付く。
そちらの方を向くと、強盗仲間の一人が夜勤の男の首にナイフを突きつけていた。


「なんか変な素振り見せたら、こいつの首かっ切るからな!」
「ひっ……ぶ、ブラームスさん……」


私はどうしたらいい。
青ざめた私の顔を見たベトは、少しずつ私を拘束する縄に顔を近づけている。


「……貴様も抗え」
「……え」
「抗う事をおそれるな。
この絶望的な状況から、藻掻き苦しみ、そして、希望の光を見いだせ。希望の光は、貴様の心の奥底にも潜んでいる。決して諦めることのない、情熱を私に見せろ」
「何を……」

犯人から見えない位置に移動すると、ベトは縄に噛みついた。
プチ、プチと繊維の切れる音がする。


「おいだからこそこそすんなって……」

「フンッグッ!!」


次の瞬間、両手が軽くなった。
つい腕を上げると、それに気がついた犯人が立ち上がる。


「見せろ!! この私に!! 貴様が捧げる、情熱を!! この暗闇から抜け出す、希望を!! 貴様の生きる理由をッ!!」


一秒、一瞬。
思い出した。



私が長い時を掛けて作り上げた、最高の『交響曲』を。
若い時、満ちあふれていた、音楽への情熱を。

私はヨハネス・ブラームス。
ベートーヴェンの音楽を正当に受け継ぐ、最高傑作を作り上げた。



「liefern Sie meine Musik!」




____________End?

第6話 私の音楽をお届け!→←・



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設定タグ:クラシカロイド   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:甘味ちょこ | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2017年4月9日 17時

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