【クラシカロイド】赤いはりねずみ。【男主】 (ページ23)

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「大バッハ様、失礼するっす」

場所は変わってアルケー社内。
クラクラのライブ会場へ行くために準備をしているところだった。
突然入ってきた三弦を迎え入れると、茶色いA4サイズの封筒が手渡される。

「……9人目のクラシカロイドの目撃情報っす。まだ、潜んでいる場所は特定出来ていないっすけど」
「……」
「また、何か報告があったらお伝えするっす。これからライブ会場の方へ急ぎます」

早口でそう言い、また三弦は突然去って行った。
手渡された封筒を開けてみると、当然のように「九体目のクラシカロイド関連の報告書」と書かれた紙が入っている。

何も言わずに、バッハはその封筒を自分のデスクに置いた。

音羽響吾が予備の九体目を作っておくことも、考えられなくはない。
しかし。
それにしては、扱いが粗末すぎる。
あんな研究施設の角部屋に、誰にも見つからないようにと言わんばかりに隅に寄せられていたという。

まるで、誰かが自分の宝物を隠すかのように。

「……何を考えている。響吾」

第3話 End