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「ふー……ただい」
「歌苗ぇぇぇええええ!!」
「うわっ、何!?」
夕方6時。
学校から帰宅した歌苗を待っていたのは、興奮状態のモツだった。
モツは歌苗の姿を見るなり、ローラーシューズで手すりを駆け下り、目の前で無事に着地する。
と、同時に、歌苗の肩に手を置いた。というか、肩を掴んだ。
「歌苗大事件だよ! 結構な大事件!! これはもう世紀の大発見!!」
「な、なによいきなり……何か見つけたの?」
どうせいつもの下ネタか何かだろうと軽く受け流すつもりでいたのだが。
「音羽館で六人目のクラシカロイドが来た!!」
「……えっ!?」
「し、か、も!! ルーくんと僕のこと、とっても尊敬してくれてるんだって!! どうでもいいけどこれって奇跡じゃない? 奇跡だよねえ!! ねえねえねえ!!」
「ちょ、ちょっと待って、六人目ってまさか」
「んー? 歌苗、何かあったの……ってモツさんも?」
「あ! 奏助も聞いてよ! あのねえ、音羽館でろくに」
モツが同じ報告をしようとした時。
突然、シューベルトの叫び声が上がった。
あわてて三人が駆け上がると、そこにはなにやら論争を繰り広げる二人の姿があった。
「ですから! どうしてモーツァルトまであなたは!!」
「なんって大人げないんだ! ぱくりだなんだのと言われたくらいでどうして!! ベートーヴェンのロマン派、そしてモーツァルトの古典派!! どちらも素晴らしいものだというのに!!」
「私には大事なことなんです!! とにかく、私はモーツァルトが大っ嫌いだということに変わりはありません!」
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