玖 ページ11
「A、起きて！A！」
「ん……京治君？」
「もう着くよ。電車下りないと。」
その言葉に慌てて周りを見渡すと、いつの間にか電車に乗っていたらしい。
到着を告げる音楽がなる。
「に、荷物。」
「はいこれ持って。」
考える間も無く、京治君の指示通りに鞄を持って電車を下りた。
そこは自分の街の駅で、あのまま京治君の背中で寝てしまったんだと気が付いた。
「ほ、本当にごめんね！今日の私全然駄目で、楽しくなかったよね……。」
「気遣いすぎ。」
下を向いているとデコピンされた。
「俺はA相手なら、迷惑かけられても何されても、一緒にいれたら満足。」
「京治君……。」
「だから笑ってて。」
「うん、ありがとう。大好き。」
「俺も。」
抱きついたら抱き締め返してくれて、私を家に送るまでも、ずっと手を繋いでいてくれた。
おかげでもう頭痛はしなくて、安心できた。
「またね。」
「今日はちゃんと休んでよ。しっかり寝て。」
「もう眠れないくらい寝たよ。」
「寝なさい。」
「はぁい。気をつけてね。」
「うん、またね。」
京治君の背中が見えなくなるまで手を振って、家に入る。
「ただいま。」
扉を開けても、返事をしてくれる人はいない。
自分の部屋より先に居間に行って、仏壇に手を合わせた。
両親が亡くなったのは1年前くらい。
部活から帰ってきたら、家の中は血だらけで、目も当てられない状態だった。
強盗によるものだと言われたけれど、家の中が荒らされた形跡は無かった。
父と母の遺体が発見されずとも、床を濡らす血の量から、生きていない事は明らかだった。
私は最後に二人の顔を見ることもないまま、一人になってしまった。
京治君と付き合い始めたのは、その少し後。
友達と話している時、バレーを見ている時、京治君と一緒にいる時は、だんだん笑えるようになった。
『一人にしないから』
そう言ってくれた彼に、私はとても救われた。
「さて、晩ご飯を作りますか。」
手を洗って冷蔵庫を開けると、卵がない。
おまけに醤油も切らしてた。
「買い物に行かなきゃ。」
幸い、まだ部屋着に着替えてもいなかったため、再び外に出た。
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noel(プロフ) - シャノさん» はい！めっちゃ頑張ります！！ (2020年7月20日 22時) (
レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
シャノ(プロフ) - noelさん» いえいえ！少しでもお手伝いすることができたなら良かったです！私もこの作品大好きなので、ファンの1人として陰ながら応援させていただきます。コレからも頑張ってください、楽しみにしています。 (2020年7月20日 19時) (レス) id: b2bfb3614c (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - シャノさん» 訂正しました。わざわざありがとうございます！！以後気を付けます (2020年7月20日 19時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
シャノ(プロフ) - 50ページ目（肆拾捌 ）の序盤で杏寿郎様のはずのところが杏寿郎と、呼び捨てになってました。私の勘違いでしたらすみません。ただ、少し気になったのでコメントさせていただきました。 (2020年7月20日 13時) (レス) id: b2bfb3614c (このIDを非表示/違反報告)
noel(プロフ) - みっちー愛してるさん» そんな事言っていただけて……！ありがとうございます^_^ (2020年6月22日 7時) (レス) id: fd0be5fd69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：noel | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/noel_2/
作成日時：2020年5月26日 16時
