もう止まらない(２) 上の続き(自己満足) ページ35
「A…もう、止められねぇンだ。受け止めてくれねぇか」
てっきり、忠勝に喧嘩を売ると思った。
でも、言葉を向けられたのは私。それも、意外な言葉。
「お前を、どうしても織田に入れてぇ。でもって、ずっと一緒にいてぇンだ」
余裕の無さそうな表情に思わず心が揺れてしまう。
この男、こんなに、私のこと……。
ふいに肩を後ろに引かれ、何事かと真上にある忠勝の顔を見た。
その瞳は、静かで穏やかに、でも真っ直ぐ私を射抜く。
「この忠勝を、そなたの傍に寄り添わせてはくれぬか」
低い声が、確実な安心感と同時に切なさを感じさせた。
「拙者はそなたが欲しい…どうか、徳川へ共に」
後ろから強く抱きしめられ、胸が高鳴る。
私や利家よりも大きくて屈強な彼が、縋るように甘えるように私を抱きすくめる。
「A…」
「ふあッ…！？」
突然、忠勝が耳に唇を寄せ温かなものが耳を這った。
舌だ。熱い吐息がすぐ傍にあるからすぐわかった。
「ぁ、ただか、つッ…」
思わず出てしまった声も、熱を持った頬も、すべて目の前の利家にわかる。
その状況を何とか打破したくて体をよじらせるも、彼の力には敵わない。
「A、俺も忘れないでくれ…」
「んッ…！」
利家が私に近づき、もう片方の耳に唇を近づける。
ちゅう、と耳朶を吸った後、耳輪…耳の一番外の硬いところに歯を立てた。
小さな痛みにすら私は背筋を震わせてしまう。
「ん、やぁ…」
利家は耳を甘噛みしながら、熱の篭った吐息をぶつける。
忠勝は唇で優しく耳朶を食み、時々舌で丁寧に舐る。
制止しようとしても、力が抜けたまま入らない。
二人の厚い胸板に挟まれ、私の足が畳を力なく擦るだけだ。
なんとか自分の昂り(たかぶり)を抑えたくて、利家の皮の厚い手を強く握る。
それでも足りず、もう片方の手を忠勝の膝に置いて彷徨わせていると、
忠勝のゴツゴツした大きな手が私の手に重なった。
「ッ、あ」
どのぐらい時間が経っただろうか。
先に唇を離したのは利家だった。
「もう本当に、止まんねぇ…A、愛してるぜ…」
そう熱っぽく囁いて、利家が私の唇を塞いだ。
すると忠勝も舌を名残惜しそうに離し、
「拙者は既にそなたに惚れている…加減はできぬ」
そう言って、静かに唇を合わせた。
「うん……二人とも、ありがとう…」
二人の大きな手が私の手を握る。
それだけで嬉しくて、もう抵抗しようなんて気はどこかに落としてしまった。
レアンさんリク 「もし武将達に隠してた大きな傷がばれたら」→←もう止まらない(１) かしわてぃ。さんリク 前田利家と本田忠勝で、取り合いの甘々系
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ヒヨコダイル - 皆さん、ここへリクエストを書くと、私は気づくのにとっても時間がかかります。お手数ですが、短編集リクエストは一番新しいところへお願いします (2017年9月17日 22時) (
レス) id: 3e0b1caa50 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - 紅姫さん» 了解です (2017年9月16日 12時) (レス) id: 3e0b1caa50 (このIDを非表示/違反報告)
紅姫 - はい！ 助けに来てくれた場面でお願いします！ (2017年9月12日 19時) (レス) id: b0efbd718f (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - 紅姫さん» そろそろ小説がいっぱいなので５につくりますね (2017年9月10日 17時) (レス) id: 3e0b1caa50 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨコダイル - 紅姫さん» 承りました。「囚われていたら」っていうのは、武将が助けに来てくれた場面を書けばよろしいですか？ (2017年9月10日 17時) (レス) id: 3e0b1caa50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヒヨコダイル | 作成日時：2016年10月9日 19時
