22話 貴方side ページ23
梶 「素直になれよ」
貴 「うわ…」
めっちゃ良い声…。
梶 「ふふ、こういうの好きでしょ?」
貴 「…超好き」
梶さんだったら普通に好きって言えるのにな。
梶 「…下野さんに電話しなよ。俺ここにいてあげるから。ね?」
貴 「…」
梶 「もし振られたらなぐさめてあげるし」
貴 「なんで振られる前提なの…てか告白するなんて言ってない」
梶 「ったく…はい」
わ、勝手に電話かけてるし…。
貴 「も、もしもし…」
下 「…やっと出た」
下野さんと電話なんて…何年ぶりだろう。
貴 「オツカレサマデス…」
下 「お疲れ様ですじゃねーよ。こっちの気も知らないで…」
怒ってる…当然か。
貴 「…忘れてください」
下 「無理」
貴 「…」
下 「なあ、今度ちゃんと話しよ?電話じゃなくて、ちゃんと会って」
なんか…いつもと違う。下野さんの声。
電話だから…かな。
貴 「…」
下 「このまま気まずくなるの嫌だから。会って話したい」
こういう所…下野さんらしいな。
貴 「…うん」
下 「よかった。じゃあまた連絡するから。ちゃんとあったかくして寝なよ?」
貴 「うん…」
下 「じゃあ…おやすみ」
貴 「…おやすみなさい」
電話が切れた後、一気にため息が出た。
梶 「ちゃんと話せたじゃん」
貴 「あー…」
梶 「つーか…そんなに好きなのによく今まで平然としていられたよね…逆に凄い」
貴 「だって…仕事だし。そういうのは出したくない」
梶 「…」
貴 「わ、なっ、何…?」
うわ、今日しもかじに抱きしめられた…。
こんな日ってある?なんかそのうち地獄が待ってるんじゃないのかな…。
梶 「もし…駄目だったら俺のとこおいで」
貴 「えっ」
梶 「貰ってあげる」
貴 「…」
梶 「吉良ちゃんだったらいいよ」
貴 「何それ…こんなの趣味じゃないでしょ」
梶 「一途な子って嫌いじゃないし…手に入らない物ほど妙に欲しくなるんだよね…」
31人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:和華 | 作成日時:2018年11月20日 3時