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急いで、矛を構えようとするが、体がふらつく。
「あなたの状態では、私には勝てませんよ、イース・リヴェルタさん。」
口に手を当て笑う姿は、やはり不気味である。
「まずは、魔力量で一番を誇るあなたから、本の中に封印しようと思いましてね。」
矛を杖にして力が入らない足を無理やり立たせようとしているイース・リヴェルタを見ながらミス・マナンティアレは、鋭い目つきで言う。
「死んでください…。」
「準備完了」
何処からかそんな声が聞こえる。
機械のような感情がない音…。
「シールド!」
ミス・マナンティアレの叫ぶような声が聞こえる。
イース・リヴェルタの体が、下半身からだんだん薄くなっていく。
「あと二十秒」
機械音声が、むなしく響く。
それと同時にバタン!とドアが開く音がした。
「イース・リヴェルタ!」
「近寄るな!!!」
ミス・マナンティアレが、ウィステリア・レインの声に重ねるように怒鳴る。
「この子が、どうにもなっていいのなら話は別ですけど…。」
ウィステリア・レインは、一歩も動けない。
しかし、彼の魔力量をもってしても、この魔法は止められない。
せめて、イース・リヴェルタくらいの魔力を要する。
「…動くな。」
不意に、ミス・マナンティアレの後ろの位置から、声がした。
「ナイフですか。物騒ですね…。」
ミス・マナンティアレは余裕そうに答える。
「彼女から、手を引けば、命は助ける。」
冷たく、ミス・マナンティアレに行った彼は、黒いフードを被った怪しい華奢な男だった。
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作者名:N | 作成日時:2017年3月19日 23時