彼の特権�� ページ9
「なんだ」
すでに変装をといて、秀一の姿に戻っている。
「なんだじゃないわよ、私のパジャマは！？」
「今日は俺のを着て寝ろ」
「なんで！！！？」
「まず服を着ろ。襲うぞ」
確かに今の私は、裸にバスタオルを巻いただけのはしたない格好。
慌ててお風呂に戻って、仕方なく秀一のパジャマを着た。
着た、というか着られてるって感じなんだけど。
ぶかぶかだし。屈めば胸が完全に見える。ズボンも引きずって歩くことになる。
リビングまで来たところで、自分で自分のズボンの裾を踏んづけて、見事にずっこけた。
「大丈夫か、honey」
「いったい……」
おでこぶつけた。秀一が赤くなった部分を優しくさすってくれる。
「似合ってるじゃないか、可愛いよ」
「ほんと？ ありがとう」
「………なんだ、今日は照れないのか」
面白くなさそうな秀一。
まあ、さっき安室さんにも同じシチュエーションで、同じセリフ言われたしね。
私がそう言うと、秀一はすぅっと目を細めた。わけもなく嫌な予感。やばい、なんか地雷踏んだ。
そう思っていたら、急に秀一に横抱きにされて、そのままソファに連れていかれた。
秀一が私を押し倒す。
「Aのことを可愛いと言えるのは、俺の特権のはずなんだがな」
「いやいやいや、そんなことは……」
「君から他の男の匂いがするのも、気に食わないな」
「え、えっー……そ、それは……いや、あれはたまたま……」
「さて、どうしようか。言うことが聞けない悪い子にはお仕置きが必要なようだ」
「はっ！！？ お仕置き！！！！？」
いやいやいや。おかしいよ、これはおかしい。
秀一がそういう言葉を使うと、まじでシャレにならないから。
細められた目は、妖しげに光っている。
秀一の吐息が鼻にかかる。
かすかなタバコの匂い。シャワーでほのかに温まった体が、急速に熱を帯びていく。
まずい。
これはまずい展開だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1561人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルナ(プロフ) - こんにちは！とても面白くて一気に見入ってしまいました！ 下の方レスで続編がないのは残念ですが見返したら他のも読んで楽しみたいと思います！！ また、主様のお気持ちが変わったら続編、ぜひ書いて頂きたいです！ (2020年6月17日 12時) (
レス) id: 82be312cbf (このIDを非表示/違反報告)
長谷川信(プロフ) - 海星さん» そうだったんですね！いえいえ！返信頂けて嬉しかったです！！こんなに素敵な作品ですから、何回読んでも楽しめます！！味わいまくりますから泣かないでください！！！！十分すぎるほど幸せです！！！ (2020年5月1日 23時) (レス) id: 48d6a817f0 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 長谷川信さん» コメントありがとうございます。続編は一度連載していたのですが、納得のいく作品ではなかったので、途中で消してしまい、今はありません。せっかく読んでいただいのに、本当にすみません！泣 (2020年4月30日 15時) (レス) id: 49ba9a5e52 (このIDを非表示/違反報告)
長谷川信(プロフ) - はじめまして！もうあまりの素敵さに悶えてます！！！ごちそうさまです！！ちなみに続編とは何という題名なんでしょうか…見つけることができなくて… (2020年4月29日 16時) (レス) id: 48d6a817f0 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - ブーサンさん» ありがとうございます！！ 頑張ります！ (2018年4月13日 22時) (レス) id: 5a53eb76ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海星
| 作成日時：2018年1月11日 23時
