story61 ページ22
「何年も前の話を……」
梶谷の言葉に吐き捨てるように呟く布施社長。
いよいよ険悪になっていく会場。
私の心臓もいよいよ限界だ。沖矢さんめっちゃいい匂いする……。
「ところで……波土さんの携帯がどこにあるのか知りませんか?」
高木刑事が皆に聞いた。
「携帯なら、波土はいつも胸のポケットに入れてましたけど……」
胸ポケット、か。
それは本当に偶然だったと思う。俯き加減だった顔を上げ、ふっと前を見ると、安室さんが目をかすかに見開き、深刻な顔で地面を睨んでいた。
「あ、安室……さん?」
思わず声をかけた私に、安室さんが振り向いて、ぎょっとした顔をする。
「Aさん!!? ちょっと沖矢さん、何してるんです!!? 一体どういう状況ですか?」
「わ、私気分が悪くなってしまって……安室さんこそ、大丈夫ですか? すごい……怖い顔、してましたよ……?」
「あ、ええ。すみません。怖がらせてしまいましたね。
Aさんこそ大丈夫ですか? ひどい顔色ですよ?」
「え、えへへ……ちょっと……自分でも予想外で……」
いよいよ目眩と動悸がひどくなってきた。動悸は主に、隣に座るこの糸目眼鏡のせいだが。
「あのう、すみません……」
その時、高木刑事がそろそろと近づいてきた。
「ここに名前と、"ごめんな"の文字を……」
ごめんな?
なんで、そんな文字を?
「えっと……どうして?」
安室さんが困惑顔で尋ねた。
「波土さんの胸ポケットにこの紙が入ってたんですよ」
高木刑事が、透明なビニールに入った紙を見せてくれる。
そこには、ごめんな、と書かれたA4サイズの紙があった。
「もしかしたら犯人が携帯を抜いた代わりに入れた紙かもしれないから、全員の筆跡鑑定をしているんです」
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みそ - 沖矢さんにめっちゃキュンキュンされます…この作品を作って下さって本当にありがとうございます!!9も頑張ってください! (2018年2月12日 0時) (レス) id: f05c3c7162 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 百合さん» ありがとうございます!! 頑張って更新します! (2017年12月13日 7時) (レス) id: b25d192faf (このIDを非表示/違反報告)
百合 - すごく面白いです(*^-^*)続きが気になります!頑張って下さい!(*´∀`) (2017年12月12日 23時) (レス) id: 664152f9a6 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - ムーンさん» 毎日読んでくださりありがとうございます!! 一位なんて嬉しい!! これからも頑張ります! (2017年12月9日 21時) (レス) id: b25d192faf (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - 毎日毎日更新されたのを楽しみにしながら見てます!この作品今のところ私の好きな名探偵コナン夢小説1位です!!これからも続編頑張ってください! (2017年12月9日 20時) (レス) id: 257ddb25d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海星 | 作成日時:2017年12月6日 23時