story60 ページ21
沖矢さんの手の温もりを感じていたら、張り詰めていた緊張が緩んだのか、頭が急激にクラクラしてきた。喉に苦い何かがせり上がってきて、思わずぎゅっと目をつぶり、体をくの字に折り曲げる。
「大丈夫ですか？ Aさん？」
沖矢さんに肩を抱きかかえられる。うっ、と呻き声がもれた。
「ご……ごめん…なさ……い」
「とんでもないですよ。ここにもたれて下さい。私は大丈夫ですから」
そう言って、沖矢さんに何故か抱きしめられた。
え？ え？ なんで？ なんで抱きしめられてるの？ 沖矢さんのかすかな心臓の音が、ハイネックのニット越しに伝わってくる。
最悪だ。違う意味でさらに気分が悪くなってきた。もうほんとに帰りたい……。
何も答えない私に、沖矢さんは背中をさすり続けてくれる。
あー。でも逆に抱きしめられていてよかったかもしれない。赤くなった顔を見られずにすむ。
「ねえねえ！ 三人の中で野球していた人っている？」
コナン君が、元気に叫ぶ声が聞こえた。
ああ、そう言えばさっき、野球のボールが落ちてたとか言ってたなぁ。それかな？
布施さんは大学までラグビーをやっていたらしい。円城さんは中学の頃テニスを少し。梶谷さんは登山部の幽霊部員だった。
そして＿＿＿＿＿。
野球は波土さんが高校までやっていた。
「見つかったボールは多分、波土が高校を卒業する時に野球部のみんなからもらったボールだと思います」
円城さんが控えめな様子で言った。
それを見て、にやりと梶谷が笑う。
「さすが元カノは詳しいねぇ……その頃から波土がデビューして売れるまで付き合ってたんだよな。
んで、この美人マネージャーに横恋慕して見事にフラれたのがその社長さんってわけだ」
いやらしい顔が眼に浮かぶようで、余計に気分が悪くなって、思わず沖矢さんの胸に縋り付くようにして顔を覆った。
沖矢さんの抱きしめる腕が、少しだけ強くなった。
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みそ - 沖矢さんにめっちゃキュンキュンされます…この作品を作って下さって本当にありがとうございます！！9も頑張ってください！ (2018年2月12日 0時) (
レス) id: f05c3c7162 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 百合さん» ありがとうございます！！ 頑張って更新します！ (2017年12月13日 7時) (レス) id: b25d192faf (このIDを非表示/違反報告)
百合 - すごく面白いです(*^-^*)続きが気になります！頑張って下さい！(*´∀｀) (2017年12月12日 23時) (レス) id: 664152f9a6 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - ムーンさん» 毎日読んでくださりありがとうございます！！ 一位なんて嬉しい！！ これからも頑張ります！ (2017年12月9日 21時) (レス) id: b25d192faf (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - 毎日毎日更新されたのを楽しみにしながら見てます！この作品今のところ私の好きな名探偵コナン夢小説1位です！！これからも続編頑張ってください！ (2017年12月9日 20時) (レス) id: 257ddb25d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2017年12月6日 23時
