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伊達くんだけが「おいおい」と呆れたように頭を抱えている。
「ど、どうしたのみんな。おかしいよ、さっきから」
「さっきからおかしいのはテメーだよイリゴマ。マジで分からずにやってんのか」
「はあ? どういう意味よ」
「萩原、お前もうAちゃんとペア組むの禁止な。Aちゃん、俺とストレッチしよう」
諸伏くんが問答無用というように、わたしの腕をつかんで萩原くんから引き離そうとする。
すかさず萩原くんが、わたしの肩をつかんで背後に立ち、背の高い二人に挟まれるような形になる。
「おいおい景光くん。お前にはほら、可愛いカノジョがいるじゃんか」
萩原くんが零くんを指さす。零くんが眉をしかめ、諸伏くんが露骨に怒りの表情を浮かべた。
「……萩原、零はカノジョじゃない。あとAちゃんから離れろ、この変態野郎」
「俺とAちゃんのストレッチで、いかがわしい想像しているお前らの方が変態だろ?」
「萩原ぁ、お前マジで殴るぞボケ」
「あれれ、また反省文書きたいの、松田?」
「上等じゃねえか、ロン毛のくせに。お前のその自慢のスケベ面、ボコボコにしてやるよ」
「いや、ロン毛は関係ないだろ。あとさあ、前回は確かに負けたけど、前々回は俺が勝ってるからな」
「俺がインフルエンザで病み上がりだった時のことか? 勝って当然だろそんなもん。ちなみに前前々回は俺が勝った」
「えー、言い訳すんの? じゃあ今ここで決着つけようか?」
「望むところだ、遺書の準備はできてんのか」
「松田こそ家族に一報入れとかなくて大丈夫? 墓前に添えてほしいものとかあったら、今のうちに聞いとくけど」
「言ってろよ。まあお前みたいなやつでも一応、幼馴染だ。葬式くらいは出てやるよ」
「ちょ、ちょ! ストップ!」
青筋を浮かべた松田くんが、どしどしと萩原くんに歩み寄った、そのすんでのところで、わたしは二人の間に割って入る。
「また身体測定延期になるでしょ! くだらないことで喧嘩するのやめてよ」
「すべての元凶はてめえだってことを忘れてんじゃねえよ、イリゴマ」
「わたしが何したっていうのよ」
「まあまあまあ」
きっと松田くんを睨みつけたわたしに、さっきまでじゃっかん喧嘩腰だった諸伏くんと、様子を静観していた伊達くんがとりなす。
「Aちゃんの言う通りだって。身体測定がまた延期になったりしたら、ややこしいだろうが」
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あやちゃん(プロフ) - 海星さん» 面白くて何回も読ませてもらっています!続きがくるのを楽しみにして待ってます! (2020年3月27日 20時) (レス) id: 60d90b2065 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - あの、ずっと更新停止されてますが大丈夫ですか? (2020年1月13日 7時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
桜 - そうだったのですか…。安心いたしました!テスト頑張ってください^^ (2019年11月27日 18時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 桜さん» 心配していただいて、ありがとうございます…今テスト中で。更新がゆっくりになってます。すみません! (2019年11月27日 16時) (レス) id: 4bcc115d21 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 最近、更新がありませんが体調など大丈夫でしょうか?とても心配です…… (2019年11月27日 0時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海星 | 作成日時:2019年11月9日 13時