検索窓
今日:133 hit、昨日:167 hit、合計:829,376 hit

19 ページ20

.

 伊達くんだけが「おいおい」と呆れたように頭を抱えている。

「ど、どうしたのみんな。おかしいよ、さっきから」

「さっきからおかしいのはテメーだよイリゴマ。マジで分からずにやってんのか」

「はあ? どういう意味よ」

「萩原、お前もうAちゃんとペア組むの禁止な。Aちゃん、俺とストレッチしよう」

 諸伏くんが問答無用というように、わたしの腕をつかんで萩原くんから引き離そうとする。
 すかさず萩原くんが、わたしの肩をつかんで背後に立ち、背の高い二人に挟まれるような形になる。

「おいおい景光くん。お前にはほら、可愛いカノジョがいるじゃんか」

 萩原くんが零くんを指さす。零くんが眉をしかめ、諸伏くんが露骨に怒りの表情を浮かべた。

「……萩原、零はカノジョじゃない。あとAちゃんから離れろ、この変態野郎」

「俺とAちゃんのストレッチで、いかがわしい想像しているお前らの方が変態だろ?」

「萩原ぁ、お前マジで殴るぞボケ」

「あれれ、また反省文書きたいの、松田?」

「上等じゃねえか、ロン毛のくせに。お前のその自慢のスケベ面、ボコボコにしてやるよ」

「いや、ロン毛は関係ないだろ。あとさあ、前回は確かに負けたけど、前々回は俺が勝ってるからな」

「俺がインフルエンザで病み上がりだった時のことか? 勝って当然だろそんなもん。ちなみに前前々回は俺が勝った」

「えー、言い訳すんの? じゃあ今ここで決着つけようか?」

「望むところだ、遺書の準備はできてんのか」

「松田こそ家族に一報入れとかなくて大丈夫? 墓前に添えてほしいものとかあったら、今のうちに聞いとくけど」

「言ってろよ。まあお前みたいなやつでも一応、幼馴染だ。葬式くらいは出てやるよ」

「ちょ、ちょ! ストップ!」

 青筋を浮かべた松田くんが、どしどしと萩原くんに歩み寄った、そのすんでのところで、わたしは二人の間に割って入る。

「また身体測定延期になるでしょ! くだらないことで喧嘩するのやめてよ」

「すべての元凶はてめえだってことを忘れてんじゃねえよ、イリゴマ」

「わたしが何したっていうのよ」

「まあまあまあ」

 きっと松田くんを睨みつけたわたしに、さっきまでじゃっかん喧嘩腰だった諸伏くんと、様子を静観していた伊達くんがとりなす。

「Aちゃんの言う通りだって。身体測定がまた延期になったりしたら、ややこしいだろうが」

20→←18



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (333 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
922人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あやちゃん(プロフ) - 海星さん» 面白くて何回も読ませてもらっています!続きがくるのを楽しみにして待ってます! (2020年3月27日 20時) (レス) id: 60d90b2065 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、ずっと更新停止されてますが大丈夫ですか? (2020年1月13日 7時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
- そうだったのですか…。安心いたしました!テスト頑張ってください^^ (2019年11月27日 18時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 桜さん» 心配していただいて、ありがとうございます…今テスト中で。更新がゆっくりになってます。すみません! (2019年11月27日 16時) (レス) id: 4bcc115d21 (このIDを非表示/違反報告)
- 最近、更新がありませんが体調など大丈夫でしょうか?とても心配です…… (2019年11月27日 0時) (レス) id: 73a2611a5f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:海星 | 作成日時:2019年11月9日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。