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汗でべとついた身体にホットタオルは嬉しかった。
ぼうっとされるがままの俺だったが、安室さんがズボンのベルトに手をかけたところで、「ん？」と首を傾げ、そのベルトをガチャガチャしだしたところで、さらに「んんん？」と首を45度に傾ける。
ズボンのチャックが下され、スボンの中に指を突っ込みそのまま下に引き下ろそうとする安室さんに、俺は数秒考え込んだ後、あられもない悲鳴を上げた。
「ぎゃーー！！！！ 何してるんですか！！ やめてください！！」
「下着も貸すので大丈夫です」
「そんなこと言ってんじゃねえ」
俺は最後の力を振り絞り、安室さんに抵抗する。
しかし安室さんはそのベビーフェイスに似合わぬ馬鹿力でズボンを引きずり下ろして、俺を裸にむいた。
「………もう最悪」
「下着置いておくので着替えてください。もう一枚タオル持ってきますので」
安室さんは鬱モードに突入している俺に冷酷に告げて、ベッドの汚れたシーツを引き剥がすと、リビングを出て行った。
彼の言う通りにしないと、今度こそ下着まで剥ぎ取られかねないので、俺は仕方なく、安室さんの置いて行ってくれたトランクスに足を通す。
洗濯された下着は清潔で、俺は情けなさに死にたくなりながら、汗まみれの服と下着をせめてもと、綺麗に畳んで置いた。
安室さんが今度は乾いたタオルを持ってきて、ホットタオルで拭いたために濡れた身体を優しく包んでくれた。
ベッドのシーツも新しいものにかえてくれる。
俺は小さくくしゃみする。
「これ、着替えです。僕のですけど、サイズは合うと思います」
安室さんが白い無地のTシャツを渡してくれたので、ありがたく着ることにする。
「………ちょっと大きいですかね」
「大きくないです。ぴったりです」
なんだか服のサイズで安室さんに負けるのは腹が立つ。
憮然として言い返せば、安室さんは、
「ちょっと顔色がよくなったみたいですね。安心しました」
「本当にご迷惑おかけしました」
「いいですよ、そんなことは」
困ってる時はお互い様ですからね。安室さんは人の良い笑みを浮かべる。
「それよりもう少し寝てください。まだ熱は高いですから」
はい、と頷いて俺は素直にベッドに横になった。
本当のところ、もう限界に近いほど眠たかった。
眠りに落ちる前に、またあの夜桜がチラチラと視界の隅を舞っていたが、もうさっきのようには、それが怖いとは思わなかった。
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サヤ(プロフ) - 読み始めたばかりですが、面白いです！ でも気になるのが原作では38だったので主人公の年齢と釣り合ってないのが気になります……。 (2020年6月11日 10時) (
レス) id: d5b4d3cb80 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - RE MIさん» わわわ！！ 耐えられないくらい嬉しいです！！ ありがとうございます！！ (2019年10月18日 0時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
RE MI(プロフ) - 耐えられないくらいこの小説すきぃ (2019年10月17日 23時) (レス) id: d7e1eef818 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 明里香さん» 毎度毎度すみません！ お恥ずかしい……いつもコメントありがとうございます！ (2019年10月17日 20時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 43話に誤字がありました。「彼女と一瞬なんです」ではなく、「彼女と一緒なんです」です。 (2019年10月17日 19時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年10月10日 22時
