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赤井さんと、近くのスーパーにやって来た。
どこにでもある大型の安い、ショッピングセンターである。
赤井さんは車から降りた途端、ピッと首元を押さえてから声を変えた。
「それってまさか……」
「ええ。小型の変声機です」
変声機と聞いて、あ、と思いつく。
「もしかして、アガサ博士の発明ですか？」
「そうです。よく分かりましたね」
まあ、新一が使ってるからな……弟がいつも身につけている蝶ネクタイを思い出す。
「まあ、なんとなく……昔から妙なものをよく作ってるから…」
「なるほど。てっきり身近に使っている誰かがいるのかと」
ほうら、やばいぞー。
完全にバレてるぞー。だから嫌だったんだよ、一緒に暮らすのなんて。
推理力はあるくせに、俺の弟は妙なところで能天気というか、詰めが甘いというか。
高校生だから仕方ないか。
「俺が使ってましたからねー」
俺はこの余裕ぶったFBIの鼻をくじいてやりたくなった。
「というと？」
「それ、以前博士の発明品ってことで、近所で販売してたんですよ。
俺もセールスの電話がうるさくて……その対策に。俺って声が人より高いから、怒ってもビビってくれないんですよね」
「なるほど。そうでしたか」
沖矢さんはそれ以上、食い下がってこなかった。
俺がショッピングカートを押すと、なぜか沖矢さんが俺の位置と取って代わる。
「私が押しますよ」
「いや大丈夫ですよ」
「このショッピングカート、重たそうなので」
「……………」
それは暗にひ弱と言われているのか。
まあ確かに沖矢さん、もとい赤井さんは、FBIというのも頷ける、逞しい体躯をしているが。
譲りそうになかったので、素直に引き下がって、俺は食材をカートの中に放り込んでいく。
ときどき沖矢さんが、こっちの野菜の方が綺麗じゃないか、などと指摘してくるので、二人で見比べたり、あーだこーだ言いながら、スーパーの中をぐるぐる回った。
「あ、お菓子買ってもいいですかね」
「え？ ああ、どうぞ」
何買おうかなー、俺は甘いものが好きなのである。
ウキウキとしてお菓子を選び始めたら、なんだか背中に視線を感じた。
振り向くと、沖矢さんが面白そうに俺を見つめている。
「………あー、なんすか？」
「いえ、楽しそうだな、と」
バカにされてるな、これは。
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サヤ(プロフ) - 読み始めたばかりですが、面白いです！ でも気になるのが原作では38だったので主人公の年齢と釣り合ってないのが気になります……。 (2020年6月11日 10時) (
レス) id: d5b4d3cb80 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - RE MIさん» わわわ！！ 耐えられないくらい嬉しいです！！ ありがとうございます！！ (2019年10月18日 0時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
RE MI(プロフ) - 耐えられないくらいこの小説すきぃ (2019年10月17日 23時) (レス) id: d7e1eef818 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 明里香さん» 毎度毎度すみません！ お恥ずかしい……いつもコメントありがとうございます！ (2019年10月17日 20時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 43話に誤字がありました。「彼女と一瞬なんです」ではなく、「彼女と一緒なんです」です。 (2019年10月17日 19時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年10月10日 22時
