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「よりにもよってベルモットが……」
最悪だとボウヤがうめく。
俺は震える彼の肩をぽんと叩いた。
「そんな顔をするな」
「だ、だけど………」
「Aのことは命にかえても守ってやる。それとも俺の保証だけじゃ不安かな」
俺がニヤリと笑うと、ボウヤも少し笑みを浮かべた。その顔が驚くほどAに似ていて、俺はやはりな、と心の中でうなずいた。
「ところでボウヤ。全く関係のない話なんだが、いいか？」
「いいけど…今度はどうしたの？」
俺は少し待っていてくれ、と言い残して書斎からある本を持って戻ってきた。
俺が持ってきた本を見て、ボウヤが首を傾げる。
「江戸川乱歩の……大金塊？」
「この本に手紙のようなものが、挟まっていなかったか？」
「手紙？」
さあ、とボウヤが眉を潜める。
「どういうこと？ いきなり何の話なの？」
「いや…実はな、この前ボウヤが例の作戦のことで話をしに来ていたとき、Aは書斎にいただろう？」
「え？ ああ……あのときね」
ボウヤがうなずく。
「あの時、ボウヤが帰った後、Aを書斎に呼びに行って、夕飯の準備をするんで手伝ってくれと言ったんだが、なかなか来ないんで戻って見てみたら、彼が手紙のようなものを読んでいてな。
近くにこの本があったんで、何か関係があるのかと」
「けど、その手紙はどこにあるわけ？」
ボウヤのもっともな疑問に、俺は肩をすくめる。
「それがないんだ」
「ない？」
「まるっきり、どこにも。消えてしまった。Aが俺を見て咄嗟に机の中に隠したように見えて、その夜机の中を漁ったんだが、どこにも見当たらなかった」
ふうん、とボウヤが考え込む。やはりボウヤも気になり出したようだ。
隠されると暴きたいのは、悲しいかな、探偵の性というものである。
「この本、Aにいちゃんがよく読んでた…気がする」
「そうなのか？」
「うん………ぼく、優作さんや有希子おばさんに聞いてみるよ！ 何か知ってるかもしれないし」
「ああ。頼むよ。Aのことは心配するな、俺に任せろ」
ありがとう、とボウヤは微笑む。
「あと例の作戦のことだが、Aにはもう打ち明けてもいいな？」
「仕方ないよね….…バーボンとベルモットがAにいちゃんの存在を認識してるなら、兄さんが無知な方が逆に怖いし」
俺とボウヤは、ゆっくりと頷き合った。
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海星(プロフ) - カラ松ガールさん» ありがとうございますっ…！ めちゃくちゃ嬉しいです！！ 頑張ります！ (2019年10月31日 7時) (
レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール(プロフ) - 前回からここまで一気読みしました！神ってました！大好きです！ (2019年10月30日 23時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 74話に誤字がありました。「有紀子」ではなく、「有希子」です。 (2019年10月28日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
海星(プロフ) - 架印�靴気�» わわわ！ ほんとですね！ お恥ずかしい…ご指摘ありがとうございますっ！ (2019年10月26日 10時) (レス) id: 9bd37337b9 (このIDを非表示/違反報告)
架印��(プロフ) - 66話：「このタケシード姿、なかなかいいな」の所…。“タキシード”が“タケシード”になってますよ。 (2019年10月26日 0時) (レス) id: cb6e7377c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海星
| 作成日時：2019年10月18日 9時
