『幸せ』の意味 (ページ32)

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病魔30 ページ32

今日、和は無菌室をでることができた。

近『おめでとう。和！』

和『ありがとうございます。』

このまま合併症もなく順調にいけば、退院も夢ではないと先生に言われた。

智『和、よかったな。』

嬉しそうに和はニコニコしている。

翔たちも来ていて本当に嬉しそう。

潤『和、退院したら野球しような』

和『僕はキャッチャーがいいな。』

潤と和もほんとに幸せそう。

翔『じゃあ、おれらは一旦帰ってまた明日くるね。』

雅＆潤『ばいばーい。』

智『今日はオイラ和の横で寝ようかな。』

と智にぃはベッドの横に椅子を2つ並べた。

和『それじゃ、智にぃ身体痛いよ。』

智にぃは大丈夫だ。と言った。
やっと。やっと僕はこの地獄から解放されるのかな。

今日は久しぶりにぐっすり眠れる……と思ったのに。

なぜかお腹が少し痛い。

時計を見ると2時。さすがに智にぃも寝ている。

和『久々にお粥食べたからかな…。』

痛むお腹をさすって必死に寝ようとする。
でも痛みはだんだん酷くなっていく。

和『…っ……はぁ……もぅ、痛い……っ…』

何度も寝返りをうつ。
トイレに行こうと立とうとするが力が入らない。

変な汗がでる。

目の前がくらくらする。

…たすけて。

智『…かず？』

朦朧とする意識の中で智にぃの声が聞こえる。

智にぃに向かってゆっくりと手を伸ばそうとしたが……

僕の意識はそこで途切れた。