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夜桜を見に。 弐 ページ4

「ほら、走ったら転びますよ、銀時。」


「大丈夫だって松陽!」



その後もちろんフラグを回収する銀時。




やれやれという顔をした松陽。


ざまあねえな、と高杉。


あほだな、と桂。


銀時の鼻についた砂を叩くA。





平和な雰囲気のそこに薄ピンクの花びらが舞ってくる。



「「「わあ…!!!」」」








そこには満月に照らされた満開の桜。




息を飲むのには十分な風景が広がっていた。







花びらを下から掬い上げ、高杉に投げつける銀時。



「てめえっ!!」



と言いながら高杉も花びらを投げ返す。



「おいお前らやめんか!」



そう言って銀時と高杉の間に入る桂も





「「五月蝿え。」」




と一蹴され、さらには二人から花弁を投げつけられる。




「貴様らぁぁあ!」





結局止めようとした桂も花びら合戦に入り、三つ巴状態であった。








その三人に影がかかる。


ごつん。




「「「いってェっ」」」




「全く、君たちは。今が夜ということを忘れているんじゃありませんか?」





呆れた、という風に溜息をつく松陽。




そこからいつもより弱めのゲンコツとともに降ってきたお小言。それをしっかりと受けた三バカ。




弱いといえどもやはり痛かったのだろう。





三人とも頭を抑え、涙目である。









「ふふふ…あは、あははは」


「「「「!」」」」






聞こえてきた笑い声に四人はAの方を見た。そこには、いつも滅多なことじゃ笑わないAの笑顔。




「ありがとう、本当に夜桜の方が綺麗だ。







教えてくれてありがとう。」







そう言ってAは、そう。






本当に、桜のようにふんわりと微笑んだ。







まさに初心な少年達が赤く色付くには十分なほど、美しい、月と桜の合う笑顔であった。






ーーー



「夜桜か…。懐かしいな。」




屯所の縁側で月見酒を飲もうとしたAの目に入ったのは庭の桜の木。




花びらが風で月夜にふわりと舞う姿はいつ見ても美しい。



縁側にトン、と座り盃に酒を注ぐ。







夜桜で思い出すのはそれを初めて行ったあの日。




共に桜を見に行った、道を違ってしまった三人の顔が頭に浮かんだ。









「また四人で夜桜、見たいなあ……」









屯所の縁側で月見酒をしていたAの盃の中


桜の花びらがひらりと、一枚落ちた。









(希望形にしないのは)




(きっと未だ、そんな期待を持ってしまっているから。)

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iMAi(プロフ) - 時雨さん» 見て頂きありがとうございます!四人で桜を見るのも、機会があれば書かせていただきたいと思います!リクエスト、ありがとうございました〜! (2020年2月5日 7時) (レス) id: 842790b5e8 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - ありがとうございます!!大人になった4人で桜を見れたらいいなと思いました。 (2019年12月30日 18時) (レス) id: 923148f312 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:iMAi | 作成日時:2019年7月10日 22時

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