夜桜を見に。壱 時雨様リクエスト ページ3
「 ほら、Aこっちだ!」
そう言って天然パーマの男子が木陰から、寺子屋らしき建物から出てきた長髪の男子と身長の低めな男子に手を引かれている女の子の名を呼んだ。
今の時刻は亥の刻(午後10時)。
桜なんて、いつ見ても同じ
というAに、じゃあいつもと違う桜を見せてやる!ということで高杉と桂が夜桜を見に誘ったのを、銀時が俺もー!と言った感じである。
とは言ったものの、銀時らの齢の子供が夜遅くに出るのを松陽がよしとするはずもなく。
例のように悪ガキ4人で抜け出した次第である。
よって冒頭に至るわけで。
「おいてめー銀時。んな大声出して松陽先生にバレたらどーすんだ。」
「そうだぞ銀時。先生は耳もいいのだから……」
「本当にそうなんですよ。結構大きく聞こえてしまいまして。ついつい私も起きてしまいました。」
「そうですよね、こんな星の綺麗な日は誰でも…って。」
「「「「え。」」」」
4人のうち誰の声でもない声が確かに桂の受け答えをした。
ぎぎぎ、と強張った顔を4人は後ろへ向けた。
「君達のような齢の子供が夜遊びなど100年早い。」
松陽お得意の拳骨が4人の頭に叩き込まれた。
ーーー
「成る程。それで君達はこんなに遅くに出ようとしていたんですね。」
仲良くたんこぶを一つずつこさえた四人が正座をして松陽の前に並んでいる。
「「「「……はい゛…」」」」
はあ、と軽く松陽は溜息をついた。
全く、それくらいのことなら最初から言ってくれればよかったものを。
今の時間は十時半。珍しく三十分で目覚めた四人はどよーんとした雰囲気をまとっている。
「上着を持って来なさい。」
「……え?」
「幸い、君たちがそこそこ早い時間に悪巧みを働いてくれました。
……未だ春なんですから、冷え込みますよ。しっかり上着を着て、表に出て来てくださいね。」
そういって松陽はにこりと笑った。
66人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
iMAi(プロフ) - 時雨さん» 見て頂きありがとうございます!四人で桜を見るのも、機会があれば書かせていただきたいと思います!リクエスト、ありがとうございました〜! (2020年2月5日 7時) (レス) id: 842790b5e8 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - ありがとうございます!!大人になった4人で桜を見れたらいいなと思いました。 (2019年12月30日 18時) (レス) id: 923148f312 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:iMAi | 作成日時:2019年7月10日 22時