【銀魂】真選組姐さん 龍と総督と。

58 夢主side ページ10

「いいか。」









そうトシが話を切り出したのは真選組屯所。会議の場である。





出席している隊士にぽんぽんとお茶を出しながら、話に耳を傾ける。





「祭りの当日は真選組総出で将軍の護衛につくことになる。……ありがとな、A。」



「いいえー」



そう言ってお茶汲みに使っていたお盆を抱えて隊士の隣に腰を下ろした。









「将軍に傷一つつこうもんなら俺たち全員の首が飛ぶぜ。そのへん心してかかれ。


間違えなく攘夷派の浪士共も動く。兎に角キナくせー野郎を見つけたら迷わずぶった斬れ。


…俺が責任を取る。」








「おい、トシ。んなこと言ったら…」

「マジですかィ土方さん……俺ァどうにも鼻が利かねーんで、侍見つけたら片っ端から叩き斬りますァ



……頼みますぜ。」


「おーいみんなさっき言ったことは無しの方向で。」









その会話に、……やっぱり、という気持ちを込めてお茶を飲む。





……うん、そこそこ美味しい。









「それから、コイツはまだ未確認の情報なんだが。



江戸にとんでもねェ野郎が来てるって情報があんだ。」






その言葉に、口元に持っていった湯のみが一瞬止まる。







「とんでもねー奴？一体誰でェ。」


「桂の野郎は最近大人しくしてるし。」






「以前料亭で会談をしていた幕吏十数人が皆殺しにされた事件があったろう。



あらァ奴の仕業よ。」









思い浮かべるは今までよく、嫌でも耳に入ったそいつの顔。









「攘夷浪士の中で最も過激で、最も危険な男……






高杉晋助のな」








その言葉に湯のみを持っていた手がこわばったのは、誰かに気づかれたのだろうか。

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