【銀魂】真選組姐さん 龍と総督と。

52 ※エセ土佐弁多発　表現改19.12.26 ページ4

「……な、なんだ…あれは！」




突然屯所の庭に落ちてきた飛行船。それを指差して一人の隊士が砂埃が落ち着いた頃やっと口を開いた。





飛行船に近づいていこうとする隊士達を近藤が制止する。




「待て、敵襲かもしれん。中から人が出てくるのを待とう」




だが、それは無用な心配であった。


近藤がそれを言う前に船から人が降りてきたのである。








「あはははは、あはははは。久しぶりの地球じゃあ！やっぱり地球の空気はまっことうまいぜよ。のお、陸奥？」


「何がまっことうまいじゃ、貴様は。この砂埃舞う空気のどこがうまいんじゃ。」





それは土佐弁を喋る男女であった。









「というかおまん、また着陸を失敗しおって。だからわしに任せとけと言うたんじゃ、馬鹿モジャ。」

「あはははは、それほどでもなかァ」

「褒めてないぜよ。ところでほんとにあっとるんか、場所は。」

「確かに金時はそう言っておったんじゃが…お、そこに人がいるぜよ、ちょいとそこのおまん！」





そう言って長身の男の方が一人の隊士を指差した。



「お、俺っすか…！？」


「そうじゃ、ここは『新番組』であっとるがか？」



「『新番組』！？いえ…ここは真選組ですが…というかそれほんとに場所ですか…？」


「げにまっことか？可笑しいのお…金時、わしに嘘ば教えたんじゃろか…」


「アホか、おまんは。真選組であってるぜよ。新番組ってなんじゃ。テレビ放送かど阿呆。」





隊士達が放っておくとすぐに口喧嘩を始める男女。


近藤、土方を含めた隊士全員(沖田を除く)が冷や汗を流してその状況を見ていた。



沖田はと言うと、縁側に寝そべって落語を聞いている。







よって





すぐにAきたことに気がついた。



「あ、姐さんどうしたんで…」






流石のサディスト沖田ですら顔を青くするほどにAの顔には青筋が浮かんでいた。





沖田の声でAがきたことに気がついた隊士達が「姐さん！」と声をあげた。









…それによって先ほどの男女の目線も彼女に向くわけで。





「ん？おまんAじゃか！！いやあ、まっこと久しいのお…」


そう言い切る前に。









Aのドロップキックが長身の男……基、彼女の戦友、坂本辰馬の顔面にクリティカルヒットしたのであった。

53 夢主side　表現改19.12.26→←51 龍との再会篇

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す