【銀魂】真選組姐さん 龍と総督と。

53 夢主side　表現改19.12.26 ページ5

真選組客間









机に置かれた五つの茶、茶菓子。




昔と変わらない様子であはははは、あはははは！と大声で笑う辰馬。



その隣にはそいつに向け冷たい視線を浴びせる亜麻髪の女の人。



襖を背にしてこわばった笑みを浮かべる近藤さんとトシ。



向かい合う二組の間の、俗に言う『誕生日席』の所に盆を抱えて辰馬を睨む私。




そして其の様子を伺おうとする隊士で賑わう襖の向こう。



先程から場所の取り合いなのかとても騒がしい。本人たちは、おい、気づかれるぞ静かにしろ！、と気付かれていないと思っているようだが、客間に丸聞こえである。








そんな様子のそこの荒れ具合にいい加減頭の痛くなってきた頃。





不機嫌な私が話し出さないのを見かねたのか、とうとう近藤さんが恐る恐る、といった感じで口を開いた。





「あのォ〜それでうちのAちゃんとどういう関係なんですか…？」




口慣れないだろう敬語を転がす程には近藤さんも冷静らしい。








たとえその会話の相手が屯所の一部を半壊させていようとも。







「あはははは！あはははは！A、今おまんAちゃんと呼ばれちょるんか！あはははは！あはははは！まっこと面白いぜよ！そうじゃ！再開の印に酒を飲まんと！酒じゃあ酒、酒を持って……ぶべらっ！」





「今おまんはそんなもん貰う時間も資格もないぜよ、バカモジャ。屯所の一部を半壊させて何が酒じゃ。お縄につかんのが不思議なくらいじゃ阿呆が。」






そう辰馬にアッパーをかける彼女が改めて私らに体を向かせた。





「先程からの無礼の数々、すまんの。わしは快援隊副官の陸奥ぜよ。さっきからあははは五月蝿いのが快援隊の社長の坂本辰馬じゃ。」





そう紹介され、先程から凛とした佇まいの娘が陸奥という子だと知った。


紹介されればきちんと返すのが礼儀であろう故、私も口を開く。





「ご紹介ありがとうございます。辰馬の正面が真選組局長近藤勲、陸奥さんの正面が真選組副長土方十四郎、そして私が真選組総長の相馬Aです。」




ニコニコ笑いながらこっそり、まだ倒れている辰馬の足を踏んだ。




「私と辰馬がどういう関係か…だったよな？近藤さん。」




足を踏んだことに気付いて起きたのか、辰馬も珍しく正座をして話を聞いてる。









「なんてことない、ただの友人ですよ。かなり古くからのね？」








そう言って、淹れたばかりのお茶をゴクリと喉に通した。

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