65 怪談篇 ページ18
「あれは今日みたいに蚊がたくさん飛んでる暑い夏だったねェ…」
只今の時間、真夜中。
真選組の屯所の一部屋で、稲山が話し出したのは夏の風物詩とも言える怖い話ーーー所謂、怪談である。
真っ暗な部屋の中、稲山の顔に当たる懐中電灯の光のみが視界を確保させてくれる。
今話されているのは『赤い着物の女』の話。
殆どの隊士たちが固唾を飲んで話を聞いている。それはAも例外ではなく。
もちろん固唾は飲んじゃいないが。
「……俺もうギョッとしちゃって、でも気になったんで恐る恐る聞いてみたの。
『何やってんの、こんな時間に』って。そしたらその女ニヤッと笑ってさ……」
話もとうとうクライマックス。
皆の気分も最高潮に達した所で
「マヨネーズが足りないんだけどォォ!」
…まさかの土方のマヨネーズにより、全てがぶち壊された。
「副長ォォォォ‼なんてことするんですかっ大切なオチをォォ‼」
「知るかァマヨネーズが切れたんだよ!買っとけって言っただろ、焼きそば台無しだろーがァ‼」
「いや、怪談台無しにしたのアンタ。」
「しかももう十分マヨネーズかかってるじゃねーか!なんだよそれ、もはや焼きそばじゃねーよ。『黄色い奴』だよ‼」
静かだった空間が活気、というか熱気を集めたからなのか、Aは一つため息をつくと煙管を吹き始めてしまった。
目線を下に向ければ目の前にいたのは
ーーー倒れたゴリラ。
ーー…ん?ゴリラ?
「…アレ、近藤さん?」
「ん?き、局長ォォオ‼‼」
「大変だァ、局長がマヨネーズで気絶したぞ。最悪だァァァ‼」
その慌てきった雰囲気に疲れたのか、Aは胡座をかいていた腰を上げた。
「興が冷めた。今日は寝るよ。」
そう言って部屋を土方とともに出ていけば「おやすみなさーい姐さん…と副長。」と帰って来る始末。
「んだよ、俺はついでかよ。
だいたい怪談なんてくだらねェ。どいつもこいつもんなもんにはまりやがって。」
「まあ、夏の代名詞とも言えるからねェ。私もそこそこ好きだし。……明日も早いし、おやすみさん。」
「…あァ。」
ーー
「遅れて悪い。小太郎、誕生日おめでとう。」
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iMAi(プロフ) - 壊さん» 4ヶ月越しに失礼します。作者です。…よくお気づきになりましたね…!?まじでか!神楽というより…に寄せております!うふふ (2月28日 22時) (レス) id: bb9de99c57 (このIDを非表示/違反報告)
壊(プロフ) - イメ画、なんか…神楽ちゃんに似てる?きもしなくもなくもなくもなくもない(?) (10月26日 7時) (レス) @page11 id: 701fbdee56 (このIDを非表示/違反報告)
iMAi(プロフ) - ボブさん» ボブ様コメント、及びこの作品を目に留めてくださってありがとうございます^_^面白いですよね…推しが尊くて…よかったらそっちのお話も読んでみてください…。ありがとうございます!銀魂アニメ再放送するらしいので多分その時期から更新頻度上がります!頑張ります! (2020年9月11日 18時) (レス) id: 52884729d8 (このIDを非表示/違反報告)
ボブ - わ!面白い!銀魂の作品漁ってたら出てきました!!某ディズニーのゲーム私もハマってます!!面白いですよね!!ご自分のペースで更新頑張ってください!待ってます! (2020年9月10日 21時) (レス) id: 95a51c0b56 (このIDを非表示/違反報告)
iMAi(プロフ) - あいうえおさん» コメントありがとうございます!頑張って更新します!更新滞ってしまってごめんなさい!!そして面白いって言ってくれてありがとうございます!!! (2019年8月25日 15時) (レス) id: 85e092a031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:iMAi | 作成日時:2018年11月7日 16時