検索窓
今日:3 hit、昨日:19 hit、合計:41,394 hit

ページ15

*



キーンコーン。チャイムが鳴る。ホームルームが終わって、少しの休憩に入る。何時もなら「先生の話長かったー!」なんて伸びをするところなのだが。


「……避けられてたよな」

「なーによ、しょんぼりしちゃって。天下のA様ともあろうお方が珍しい。」

「美優ー!……いや、うん。別に……なんでもない」

「はぁ!?それで何にもないは嘘でしょ。話しなさいよー!」

「……引かない?」

「今更」

「じゃ笑わない?」

「それは肯定できない」

「美優に言った私がバカだった」

「わーかったわーかった!笑わないってば!」


なんだこいつ、どっちやねん。心の中でそう呟く。でもやっぱり話したい気持ちはあるなぁ、なんて思って口を開く。


「……玲王に避けられてる気がする」

「なんだ惚気かよ〜」

「惚気じゃねぇ。……なんか、今朝話しかけたら、目そらされたんだけど」

「……へぇ」

「……私、なんかした?」

「……違うと思いますよ〜」

「何よ、なんか知ってんの?」

「……さーね、私には予想するしか出来ませんのでー!」

「その予想聞かせろよ〜……」

「やーだ、次移動だろー?先行くわよ〜」

「うげ、忘れてた。待ってよ〜」


ざか、とペンをポーチに突っ込んで、ファイルと教科書を纏めて掴む。美優の後ろを追いかけるようにして教室へ向かった。


「…………さいあくだ」

「……あちゃー……」


今日の移動、選択授業じゃん。他クラスもいるよ。そんな言葉が今更頭を過った。


「ねぇねぇレオ!ここ教えて〜?わかんなくって!」

「レーオ!隣座ってい〜?」

「あっ、ずるい私もー!」


取り巻きの女の子達の声が教室に反響する。……なんで避けられてるときに限って、会うんだろうか。しかも選択授業。同じになることなんてごくごくまれだろうに。


「なんで今……」

「……まあまあ、遠くに座ればいーじゃん。」


そんな風に美優に言われて、一番後ろの列の席に座る。ど真ん中で女子に囲まれる玲王に、なんだかモヤモヤした。


「……バーカ」


その日の授業は、なんだか頭に入ってこなかった。




*

♕→←♕



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (130 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
322人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

きりんさん - キュンキュンがとまりません〜!!!!! (2023年3月31日 18時) (レス) @page16 id: e58024eca2 (このIDを非表示/違反報告)
つき - 初めまして!お話し良すぎて…好きすぎました🤦‍♀️💓これからも応援してます、楽しみにしてます! (2023年3月31日 17時) (レス) id: 37cdf4c57c (このIDを非表示/違反報告)
きのこ(プロフ) - お、ついに告白かぁ?!?! (2023年3月31日 8時) (レス) @page16 id: 341e3469a0 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶みかん(プロフ) - うわぁぁぁ、好きです…!!!これからも更新頑張ってください…!! (2023年3月30日 18時) (レス) @page14 id: 9dacbb6ae3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作成日時:2023年3月28日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。