本命には素直になれない御影くん。【ブルーロック/御影玲王】

♕ ページ12

*



何気なく、自宅の回りを徘徊していた。もしかしたら、近所であるしアイツに会えるかもなんて淡い期待を寄せて。

まさか本当にいるなんて思わなかったけれど。

……どうして、素直になれないんだろうか。

どうして、「好きだ」なんて、たったそれだけの言葉が言えないのだろうか。


「……バカは俺じゃん」


すっかり真っ赤に染まった夕焼けが、自分を嘲笑ってるような気がした。

顔が熱い。あんなに近くまで接近したのはいつぶりだろうか。きゅっと目を瞑った顔、かわいかったな。


あのまま、キスのひとつでもしていたら。


何か、変わっていただろうか。……過ぎたことを考えても仕方ないと、目を伏せる。


「……あれで意識されてなかったら、本当……」


脈無し、なんて言葉が頭を過る。……いや、ない。それはない。そんなことには絶対にさせない。
手に入れたいと思ったものは、全て手に入れる。それが俺だ。御影玲王だ。


「ぜってー諦めねぇからな……」


きら、と一番星が光った。




*

♕→←♕

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す