【東京喰種】どこにも行かせない

Eight ページ11

好きな人に


ずっと一緒に居よう、と言われるのは


どの女の子でも憧れることだろう



................なのに

私はこれを聞いて背筋に寒気が走った


ずっとここにいるのは嫌だ
外に出たい







『.....................ここから....出たい............』



つい出てしまった言葉



ア「........................................あ" ぁ？」



アヤトくんの表情が途端に険しくなる




悲しみと憎しみと寂しさ、怒りが含まれている表情




しまった、と思った



アヤトくんの顔が私の顔に瞬時に近く




ア「A.............お前今なんつった？」




でも もう




戻れない






『ここから........でたいよっ............』



ア「ーーーーっ！」


気がつくとスカートに
水滴がポツポツと頬を伝って
落ちていた






長くて重い沈黙が流れる




アヤトくんは私の腰に手を回したまま



俯いている


それにつられて私も


俯く






考えてみれば

たった1日部屋に閉じ込められただけなのに

何でこんなにも強く外に出たいと思うんだろう

そんなことを考えていると






頬に生暖かい柔らかい感触が走った


『ひゃっ！？』



アヤトくんが





私の頬を舐める




何度も何度も



重ねるように


『.....///////や、やめてよアヤトくんっ！』



あまりの恥ずかしさに強引にアヤトくんを突き放す





すると彼は意味ありげにニヤリと笑った






ア「...........お前が何で泣いてるか分かった」


え

分かったって.....
じゃあ明日から私はまた普通に暮らせるってこと？ またアオギリのメンバーで任務ができるってこと？


ありがとう、と言おうとした





けど





言えなかった









片方の手を私の腰に、

片方の手で私の後頭部を強く前に押して



アヤトくんは自分の唇で私の唇を塞いだ

Nine #→←Seven

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す