Love 6 ページ6
.
ノートを運び終わって、教室に戻る途中。
誰もいない生徒会室にAを引き込んだ。
「うらたくん……？えっと、ここ入っていいの？」
「知らねえ。……あのさ」
俺は、ん？という顔をしたAを強く抱きしめた。
「坂田と手ぇ当たってたじゃん。あれすごい嫌だったから、もう俺以外の奴に触らせないで。Aは俺のじゃん」
ただの嫉妬だ。わかっている。
だけどあの場面を思い出すだけで胸が痛くて、――全部ぶっ壊したくなる。
「ふふ」
「……何笑ってんだよ」
「なんか、初めて会った時みたいだなって思って。口調とか違くて」
「……確かに、そうだな」
初めの時は慎重だった。今も八つ当たりにならないよう言葉を選びながら言ったから、似たのかもしれない。
「てか、んなことどうでもいいから」
「ごめんごめん。うん、大丈夫。うらたくん以外に触らないよ」
背中に腕がまわされて、ぎゅっと抱きしめ返してくれる。
――別の意味で心臓が痛くなってきた。
好きが溢れて、イタイ。
脳が蕩けたみたいに何も考えられなくなる。
「好きだよ」
「私も好き、うらたくん」
どちらからともなく口づけを交わした。
束の間顔を出した仄暗い感情は消え、最高の気分だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 169人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ノア(プロフ) - ミルクショコラさん» わざわざクリスマスにコメントしてくださっていたのに気付かずすみませんでした……！ありがとうございます！そして、あけましておめでとうございます！ (2021年1月4日 15時) (
レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 雷さん» 返信遅れてすみません！ありがとうございます、嬉しいです……！ (2021年1月4日 15時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ミルクショコラ - ハッピークリスマス！です！きっと私へのプレゼントはノアさんの作品ですね！！何度読み返しでも最高って凄くないですか？最高の一年でした！ノアさん、良いお年を！ (2020年12月25日 21時) (レス) id: 2e73fce6ea (このIDを非表示/違反報告)
ミルクショコラ - うらたさんならこんな彼氏でも全然いいっ！というかwelcome！！…キャラ崩壊？すいません。ｱｯ引かないで下さい久しぶりにコメントしていきなりすいませんつい本心が漏れてしまいました。ノアさん最高すぎて私の語彙力が下がります((無理せず更新頑張って下さい！ (2020年10月20日 18時) (レス) id: 2e73fce6ea (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 文章めっちゃ好きです！！読んでて心臓ギュってなります！！（語彙力） (2020年9月27日 0時) (レス) id: 11cd33a2ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ノア
| 作成日時：2020年8月27日 15時
