episode 49 ページ4
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くろに連れられて訪れた店は、“彼”がいる店なのはわかっていたが、会ったのは偶然だった。
店員の装いをする彼がカウンター越しに笑う。
「Aちゃん。お久しぶりですね」
「……お久しぶりです」
名前を呼び返そうとして、聞いていなかったことに気付いてそれだけ言った。
尋ねるべきか悩んでいると、相手から名乗り出てくれた。
「ボク、まふまふっていいます。あの時は名乗れなくてすみません、あんまり君と喋ったら彼が怒るかなって思って……」
うらたさんの名前を出さなかったのはわざとだろう。前回来た時は何故貸切にしたのか疑問だったが、彼が「うらたぬき」だと知った今ならわかる。
友人の働く店に迷惑をかけたくなかったのだろう。強引だけど、優しいから。
「いえいえこちらこそすみません！あと……あの人は多分怒らなかったですよ」
「え？でもデート中で……」
「待ち伏せされて連れ回されてただけでしたし会うの二回目でした！デートなんかじゃないです！」
「……そっか」
まふまふさんは戸惑いつつも受け入れたように相槌を零した。
その顔を見て、自分が言葉をぶつける勢いで喋っていたことに気付く。
「すみません」
「えっ、気にしないでください！ボクは大丈夫なので……その」
迷うような目をするまふまふさんが視線をずらす。その先には受け取り口でスマホをいじるくろがいた。
まふまふさんが初めに笑いかけてきてから、何かを察してか少し離れた場所で待ってくれているくろ。
「……そこのお友だちと、Aちゃんがよければ……少し、お話しませんか？」
□■□
「うらたさんのこと、好きですよね？」
休憩室に入れてもらい隣り合って座ってまもなく、質問というには確信を帯びすぎている声で問いかけられる。
そんな風にされたら、私は正直に頷くしかなかった。
「それならどうして彼と会わないんです？」
「……なんで知って……」
「うらたさんがラインでAちゃんのこと聞いてきて、理由聞いたら最近会ってないからって」
「……うらたさんだって会いに来てないです」
その時まふまふさんが何かを言おうとした。それが何かは分かる。だから先取りした。
「忙しいのもあると思います。でも、そんな中でも連絡取ってきて会おうとしてくれてて、
会わない期間が続いて、理解した。
私たちの関係は、うらたさんが積極的に繋いでくれていたからこそ成り立っていたのだと。
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む-む(プロフ) - 更新ありがとうございます！いつも楽しく読ませてもらってます…！今後も応援しております！ (2月5日 22時) (
レス) id: e45905575c (このIDを非表示/違反報告)
蟹汁(プロフ) - 最新話とても楽しみにしておりました…！更新嬉しいです！ (1月9日 13時) (レス) @page19 id: 1d876901a1 (このIDを非表示/違反報告)
yume(プロフ) - すごくドキドキする楽しい作品です！更新楽しみにしてますー！ (10月28日 13時) (レス) @page18 id: af9fca39eb (このIDを非表示/違反報告)
きゆか(プロフ) - 更新楽しみにしてます…！いつか続きみたいなって思ってます…！！ (2022年10月31日 0時) (レス) @page18 id: 1051f9e52c (このIDを非表示/違反報告)
みこ - 更新頑張ってください！大好きなお話です！ (2022年10月22日 16時) (レス) @page18 id: 2aca8cdc1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア
| 作成日時：2020年8月27日 14時
