episode 5 ページ6
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路上でAと電話で話すうらたぬきは、余裕に満ちていた。
どこへ連れて行ってやろうかと、頭の中でプランを立てている最中。
『他を当たってください』
「えっ、おい……！」
いきなり電話を切られ、うらたぬきは呆然とした。
慌てて二、三度かけるが、Aは出てくれず無機質なコール音だけが鼓膜を揺らした。
舌打ちをし、Aへのコールをやめる。
――だが引き下がるつもりは毛頭ない。これは単なるナンパではないのだ。
うらたぬきは電話帳の「お気に入り」に登録している唯一の人物に電話をかけた。
「あー、もしもしセンラ？お前人捜し得意だよな。捜してほしい奴がいるんだけど」
□■□
大学をサボろうとしたからあんな電話がかかってきたのだろう。ごめんなさい神様、ということで、私は通っている大学に来ていた。
昼ごはんを食べて、今日受けなければならない最後の講義も終え時計を見ると午後3時。
家帰ってだらだらしよう。
「あれ本物……？なんでうちの大学に？」
誰かの横を通り過ぎた時、高揚を抑えたような小声が聞こえた。
振り返って、どこか一方向を見つめて頬を紅潮させている二人の大学生の視線を追う。
私がよく大学への出入りに使う表入口に――“うらたぬき”さんがいた。
……ん？デートの誘いは断ったよね？そして私は大学を教えてないよね？まさかストーカー――
彼が唐突にスマホから顔を上げ、澄んだエメラルドのような瞳が私を捉えた。
「Hi!」
両の目を細めて、まるで約束していた恋人を待ちわびてやっと会えた彼氏のように、嬉しそうに笑った。
いきなりそんな可愛い笑顔を向けられるとは思っていなくて、ぎゅんっと心臓が撃ち抜かれる。
「よかったー。お前なかなか出てこねえから間違えたかと思った」
彼は笑みを残しながらほっとした顔になり、私の方にやってきた。
余韻なのかまだ速く脈打つ音が耳の奥で響いていて、警戒心はあるにもかかわらず簡単に接近を許してしまう。
「今日の授業終わったんだろ？全部」
「……なんで知って、」
そこまで聞けばもう必要ないらしかった。彼は私の手を掴んで、にっと口の端を上げた。
「行くぞ！」
彼が軽やかに駆け出したので、私も走るしかなくなった。
や……やっぱり振り回されてる……！！
動きに合わせて揺れる彼の茶色のくせっ毛を見ながら、私は早々に抵抗を諦めた。
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エス(プロフ) - ノアさん» いやー！！続きが楽しみですね！一生付いてきます！これからと体は気をつけて更新ゆっくりでもいいので頑張ってください！それと続き編ありがとうございます！ (2020年8月27日 20時) (
レス) id: 3190ad61df (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ミルクショコラさん» 夏休みですか！最高ですよね！！短いのは残念ですが、是非とも満喫してください^^* (2020年8月27日 18時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - エスさん» そう言っていただけて嬉しいです！私もどうなるかわかりません笑 これからもお付き合いくださると嬉しいです！ (2020年8月27日 18時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 東雲さん» こちらこそありがとうございます！！長らくお待たせ致しました(汗) 続編移行したので是非これからもよろしくお願いします！ (2020年8月27日 18時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - わかさん» 私がきっかけなんですか！？めっちゃ嬉しいですありがとうございます……！これからも頑張ります！ (2020年8月27日 17時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア
| 作成日時：2019年9月5日 19時
