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episode 44 ページ47

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車内での会話はほぼゼロだった。

そもそも坂田さんはあまり喋る方ではない。でもすごく聞き上手で、何より私は話を聞いてくれている時の坂田さんの優しい雰囲気が好きなのでつい話しかけたくなってしまっていた。

それができないのは――。


ふわっと、何かの気配を感じた。視線を上げてみるとそこには。

「さっ!?坂田さん!?」

いつものような無表情を浮かべる坂田さんの顔が目と鼻の先にあった。

「お前大丈夫か?ここまで近付かんと気付かんとかありえんやろ。どっか悪いんか?」

「だ、大丈夫ですすみません!ぼーっとしてました!」

顔近い近いキスのこと思い出す!!不意打ちなのもあって心拍数えぐいんですが!私が気付かなかったっていうか坂田さんが気配消してませんでした!?

マフィアだしそういうの上手そうとの偏見で坂田さんへ責任転嫁していた時、坂田さんがぼそっと呟いた。

「……(なん)か話したいことある?」

思わず彼の目を見ると、相変わらず無機質な赤がさっきまではなかった真剣さを帯びていた。

恋愛の方面はとことん鈍いのに。……の割にキス上手かったな。違うそうじゃない。

話したいこと……ないことは、ない、けど。

「いえ、そんなすぐじゃないので――」

ふと、坂田さんの空気が少し変わっている気がした。その瞬間、額に柔らかい感触。

「……ごめん、我慢できんかった。お前可愛すぎや」

ほのかに頬を赤くして私を真っ直ぐ見つめる坂田さん。

心臓がバックン跳ねてそれからぎゅっと締めつけられて、なんか、なんかもうすごかった。やばい。坂田さんめっちゃ顔見てくるし心臓がやばい。

「坂田さ、あの、一旦見ないで……」

熱くなる顔を少しでも隠そうと顔の前に手をやって彼に訴える。弱々しい声量になってしまったけれどこの距離だからきっと聞こえているはずだった。

なのに、坂田さんは目を逸らしてくれずに笑みを零した。

(ここ)はええん?」

「え、……は、はい」

一瞬口付けられたくらいだったらまぁ……と思って頷くと、

「だったら……――唇は?」

つっと親指の先で私の唇をなぞり、吐息の絡んだ甘い声で囁いた。

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設定タグ:歌い手 , 浦島坂田船 , うらさか   
作品ジャンル:恋愛
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エス(プロフ) - ノアさん» いやー!!続きが楽しみですね!一生付いてきます!これからと体は気をつけて更新ゆっくりでもいいので頑張ってください!それと続き編ありがとうございます! (2020年8月27日 20時) (レス) id: 3190ad61df (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - ミルクショコラさん» 夏休みですか!最高ですよね!!短いのは残念ですが、是非とも満喫してください^^* (2020年8月27日 18時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - エスさん» そう言っていただけて嬉しいです!私もどうなるかわかりません笑 これからもお付き合いくださると嬉しいです! (2020年8月27日 18時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 東雲さん» こちらこそありがとうございます!!長らくお待たせ致しました(汗) 続編移行したので是非これからもよろしくお願いします! (2020年8月27日 18時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - わかさん» 私がきっかけなんですか!?めっちゃ嬉しいですありがとうございます……!これからも頑張ります! (2020年8月27日 17時) (レス) id: 17af415a1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ノア | 作成日時:2019年9月5日 19時

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