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「はい、誕生日プレゼント」
テーブルに二つ並んだケーキの上に乗っていたイチゴを勝手に食べていたコウに掌サイズの箱を差し出す。
「何これ」
「あっ！コウ、僕の分のイチゴも食べたでしょ！」
「おいしかったぁ」
主役のいなくなったショートケーキにしょんぼりしていると、コウが箱を開ける。
「首輪？」
「僕が特注して作ってもらったチョーカーだよ」
箱の中から出てきたのは、装飾の少ないシンプルな黒のチョーカー。
「首輪かぁ。悟ってそういう趣味だったんだ」
「チョーカーだってば」
相変わらず人の話を聞かないコウの手からチョーカーを取り上げる。
「貸して」
ちょうど頸の辺りにくる部分にあるスイッチを押すと、カチッと音が鳴り、物凄い勢いで内側に数本の鋭い刃物が飛び出る。
「いいでしょ、コレ。これなら苦労して首切る必要ないでしょ」
普通の女の子ならこんなもので喜ぶはずがない。
僕だってもっと今どきの女の子らしいものをプレゼントしようかとも思った。
だけどコウが好きなのは強い相手と本気で戦うことだ。
僕はそんなコウを尊重したい。
いくら再生するとはいえ、首を切ると普通に、というかかなり痛いと言っていた。
人間の首を切断するのは簡単なことじゃない。
かなりの力を要する。
何度も自分の首筋に切れ込みを入れて顔を歪める様子は、死なないと分かっていても、見ていて平気なものじゃない。
どのみち痛みから逃れられないのなら、少しでも楽になってもらいたかった。
「すっごー！！めっちゃ便利！宝物にする！」
使い方を一通り説明すると、コウは顔を輝かせながら早速装着し始める。
そして教えた通りに頸のスイッチを押した。
大量の血と共にコウの首が床に落ちる。
そしてすぐさま異形の頭部が現れた。
「……あのさ、今使うのやめてよ…」
「あ、ごめ、つい」
異形の頭が溶け出して、元の顔に戻る。
折角の誕生日ケーキは彼女の血で赤く染まった。
最悪だ。
まるで殺人現場のような悲惨さだ。
「いやマジで、これ片付けるの大変なんだけど」
慌てて雑巾を取りに行ったコウと一緒に床を綺麗にする。
掃除が終わった後、二人して真っ赤に染まったショートケーキを見てため息をついた。
その後近くのコンビニまでスイーツを買いに行き、仲良く食べて誕生日会は幕を閉じた。
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緋雪(プロフ) - 着手するかはわからないのですが、発想がめちゃくちゃ面白いと思いました、、！ (6月4日 1時) (
レス) id: 44bf006712 (このIDを非表示/違反報告)
もやし - 続き待ってます！！ (2022年8月12日 17時) (レス) id: 2aa5ee0a9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シバ | 作成日時：2022年4月9日 23時
