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その日の夜、チーノとショッピを除いた幹部全員とグルッペンは決戦前最後に会議卓に集まっていた。
「さて諸君。この前の戦争から少し間が空いたが、今回もまた派手に開戦しようじゃないか」
ぐるりとメンバーを見渡したグルッペンの千草色の瞳が好戦的に煌めく。
「皆分かっていると思うが、今回の戦争は我々にとって新たな同志を救う意味もある。その同志曰く、この戦争で両国が傷つくのは心が痛いとのことだ。個人的には徹底的に叩きのめしても問題ないと思うが、同志の希望なら叶えてやらねばならない。今回は電撃戦、最短距離で要所を制圧し降伏勧告をさせる。
シャオロンとコネシマは左右遊撃隊として最前線で暴れまわれ。
その隙にゾムと隠密部隊、ひとらんと特別攻撃隊で王宮内部に潜入、手早く腐った貴族と王族どもを縛り上げて王を捕まえろ。
ロボロはショッピの代わりに遠距離隊を率いて最前線に敵を引き付けと牽制を頼んだ。
鬱はいつも通り本部で情報処理と連絡係、エーミールが補佐してやれ。
チーノとショッピは引き続きAの屋敷の護衛をしてくれ。
オスマンとトントンは本部で戦況の把握と各部隊への指示だ」
各々の瞳に、グルッペンに釣られるように好戦的な光が宿る。
特にゾムは小さく息を吐いて強くAの姿を思い浮かべた。
信じてくれたAの気持ちを、そしてゾムに向けてくれたあの幸せそうな笑顔を守るためにぐっと拳を握って静かに闘志を燃やした。
「それと、今からする話はここにいる者と極僅かな人間にしか伝えない情報だ」
そう前置きしたグルッペンから続けられた言葉に、その場にいる全員が傾聴した。
最後にグルッペンが「諸君」と言ってから一間を置き、口角を上げ邪悪ともいえる笑みを浮かべる。
「いつものように、戦争の主役は我々だ。それを存分に理解してもらおうじゃないか」
そう締めくくる総統に、それぞれが応を返した。
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カラバコの中の子犬(プロフ) - 面白すぎて一気読みしました…！言葉の使い方や文章がとても品があり、文も読みやすくとても素晴らしい作品です…！！感動しました！！素敵な小説をありがとうございます！更新をお待ちしております！ (2020年12月30日 14時) (
レス) id: e1ec4a729c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乃鴉 | 作成日時：2020年12月23日 19時
