キミヲオモウ【メリオダス】 (ページ1)

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1話目。ページ1

Aが、ベッドで横たわっている。

ひどい高熱を出している。

苦しいのだろう、時々うめき声を上げている。

マーリンが、今診てくれている。

きっと大丈夫だ。きっと＿＿＿＿

俺は、自分に言い聞かせた。
そうでもしないと、気が狂ってしまいそうで。

Aは、聖騎士によって呪いをかけられ、高熱を出している。

このままでは死んでしまうほどの熱らしい。

ここでマーリンが口を開いた。

「団長殿。Aがかけられた呪いがなんだかわかった。助けることもできる。」

「じゃあ、今すぐ「ただし。」え？」

「Aの中から団長殿の記憶を消す必要があるのだ。」

マーリンはそういった。

Aが掛けられたのは、記憶の呪いらしい。

大切な人が、離れていく、ころされる、そんな悪夢を見続けているという。
この悪夢は、見ているものの魔力、体力を少しずつ奪っていく、恐ろしいものである。

Aは、家族を目の前ころされてから、1人になる、大切な人がいなくなるという事を極端に恐れる。
そのせいか、呪いの進行が早いようで。

「はやくしなければ、Aが死んでしまうぞ。」

「どうする、団長殿。」

「それでAが助かるんだったら＿＿＿
俺の記憶を、消してくれ。」

俺は、止めても止めても溢れてくる涙と共に、マーリンにそう告げた。