月永家との関係【2】 ページ8
しばらくしてレオくんが離れて私の顔を見つめて問いかけてきた。
「Aは、おれの事が好きで一緒に居てくれるのか？それともおれの音楽が好きだから一緒に居てくれるのか？」
その顔はとても悲しそうで、寂しそうで。何があったのかはある人から聞いてはいる。それを知ってか知らずか、そんな面持ちで聞かれた。
レオくんは私が嘘をつけない事を知っているはずだから、私の言葉なら信じてくれる。それを確信して即答した。
「音楽とか作曲とか関係ない。私はずっとレオくんの事大好きだよ。だからずっとそばに居るし、こうして来てるの」
「……ありがとう、A」
私の答えを聞いて安心したようで、添い寝してくれたら寝るなどと更に甘えてきた。流石に悩む。
「ごめんな。そろそろ帰らないといけないよな」
「また来るから。ね？」
悩んでる事に気づき諦めてくれたのは嬉しいけど。寂しそうに見られると帰りづらくなる。自分に言い聞かせるように、レオくんに約束する。納得してくれたのを確信して部屋を出た。
「あっ……お兄ちゃん、どうだった……？」
「るかちゃん。ご飯に関してはまだ無理かも」
「そっか……お姉ちゃんでも無理なのかな……」
しゅんと落ち込んでしまうるかちゃん。可愛らしくハーフツインにしている髪を撫でて元気づけてあげる。ほどなくしてるかちゃんは私に笑顔を見せてくれた。しばらくはこの兄妹、私が面倒見る事になりそう。
「じゃあ、また来るねるかちゃん」
手を振ると振り返してくれる可愛い妹。彼女は私にとっても大事な妹だから、傷つけたくない。レオくんの代わりに、私が守ろう。
「おじゃました……あれ、涼太？」
「姉貴！？」
月永家から出ると、弟の涼太と出くわした。
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作者名：のあ | 作成日時：2022年6月8日 0時
